東レは、トヨタ自動車が発売する燃料電池自動車『MIRAI(ミライ)』に炭素繊維材料が採用されたと発表した。
MIRAI に採用された東レの炭素繊維材料は、熱可塑性炭素繊維複合材料(熱可塑CFRP)と、燃料電池スタックの電極基材用カーボンペーパー、高圧水素タンク用高強度炭素繊維の3つ。
熱可塑CFRPが適用された部品は、自動車のフロア部分の「スタックフレーム」。プレス成形時間を短時間で終了できる大量生産に適した熱可塑CFRPをトヨタ自動車と共同開発した。熱可塑性CFRPが量産車の構造部品に採用されたのは世界で初めて。
燃料電池自動車の心臓部分である燃料電池スタックの電極基材には、東レが30年来開発をしてきたカーボンペーパーが採用された。カーボンペーパーは、ガス拡散性、耐久性などの要求特性を兼ね備えており、燃料電池スタックの性能向上、省スペース化にも貢献する。
高圧水素タンクには、高圧水素タンクに求められる安全性や強度・軽量性を両立させるために開発した専用の高強度炭素繊維が採用された。
東レでは今後も、自動車向けに高強度で軽量な炭素繊維複合材料の技術開発を加速して事業の拡大を図る。