【トヨタ プロボックス / サクシード 改良新型】経済性を徹底検証…減税、燃費、安全性が企業のコストに効いてくる

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  • トヨタ自動車株式会社 カローラ店営業部 販売計画室 第1販売グループ長 矢田 直之氏
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トヨタの新型『プロボックス / サクシード』は、操縦安定性や快適性、機能的なインパネなど、商品そのものの魅力だけなく、商用車で重視される「経済性」も大きな売りだ。

今回はトヨタ自動車の営業部スタッフに話をうかがいながら、減税、燃費、アフターサービスなどの点から、新型プロボックス / サクシードの経済性を検証してみた。

◆減税、燃費、安全で、経済性の高さを訴求

新型が発売されてから約4か月。カローラ店営業部を担当するトヨタ自動車の矢田直之氏によれば「販売店、ユーザー様共に『使い勝手がとてもいい』『すごく良くなった』とご好評いただいています」とのこと。すでに大口顧客で来期の稟議も通るなど受注も順調で、さらに11月下旬からは、来年4月以降のリースアップに向けた来期商談で一気に攻勢をかけるという。

さて、商用バンを購入する企業にとって最も関心の高いポイントは、やはり経済性だ。矢田氏はまず「エコカー減税」、「燃費」、そして「安全性」が新型プロボックス/ サクシードのメリットであるという。

「実際にお話をする総務の方には、1円でも持ち出しを少なくしたい、という思いがあるので、価格を提示する際には、独自に作成した早見表をお渡しし、全車エコカー減税対象であることや、燃費などのランニングコストによる金銭的なメリットを具体的にお伝えしています」と矢田氏。早見表には、プロボックス/ サクシードがいかに経済的かが、ひと目で分かるようになっている。具体的な数字は、相手企業のクルマの使い方や平均的な走行距離などに応じて書き直すという。

ちなみにプロボックスの場合、車両本体は1.3リットル車が131万7600円からで、商用バンクラスでは最も安い。しかもVSC&TRCが全車標準であることも重要なポイント。後で触れるが、安全性はドライバーだけでなく、会社にとっても多くのメリットがあるからだ。

◆乗れば乗るほど燃費の良さが効いてくる

同じくカローラ店営業部を担当するトヨタ自動車の高橋雅彦氏は、「先代に比べて新型は同グレードで10万円くらい高くなっていますが、購入時の免税でその半分くらいは相殺されます。あとの半分は月々1500kmくらい2年間走ると燃料費だけで元がとれてしまいます。その後は、乗れば乗るほど燃費の良さが効いてきます」と話す。

実際、燃費は先代と比べてどれくらい良くなっているのだろうか。参考までにJC08モード燃費を見ると、新型プロボックス / サクシードの場合、1.3リットル車が17.6km/リットルで、1.5リットル車が18.2km/リットル、1.5リットルの4WD車が15.8km/リットルだ。先代は1.3と1.5リットルのFF車が共に15.4km/リットルで、4WD車が13.4km/リットルだったから、約14 - 18%も良くなったことになる。

ライバルである『ADバン』とも比べてみよう。こちらは1.5リットル車が17.4km/リットル、1.8リットル車が13.0km/リットル、1.6リットルの4WD車が13.0km/リットル。排気量が違うので直接比較は出来ないが、目立つのは4WD車同士で比べるとプロボックス / サクシードの方が2割以上も良いことに気づく。また、燃料タンク容量は、プロボックス / サクシードでは全車50リットルだが、ADバンの4WD車では42リットルになる(2WD車は52リットル)。普段から走行距離が多い場合、こうした燃費とタンク容量による航続距離の差は気になるポイントだろう。実際、高橋氏も「レンタカーなど大口企業様からは、雪寒地向けに燃費が良くなった4WD車の一括購入の話が入っています。四駆で燃費のいいライトバンは少ないので、そのニーズも拾えている印象です」と話す。

◆リセール価格の高さもリース料に有利

そもそもリース販売とはどういうものか。それは車両価格、保険、メンテナンス費などを全て込みで割賦払いにし、例えば5年間、月々定額でクルマに乗れるというものだ。支払いはガソリン代以外、基本的に毎月定額のリース料だけになり、さらに商用車は車検整備が1年ごとに行われるため(初回は2年)、クルマのコンディションも適切に保たれる。不特定多数の従業員がクルマを使う企業にとって、経理や維持管理など多くの点でメリットがある。

また、矢田氏によれば、リース販売はトヨタ自動車のトヨタレンタリース系と、それ以外の総合リース系の大きく2つがあり、月々のリース料や諸条件もそれによって違ってくるという。例えばトヨタレンタリース店経由で購入すれば、全国どこのトヨタ新車販売店でもスムーズにアフターサービスを受けることができる。これは特に広域で事業を行っている企業にとっては大きなメリットとなるだろう。

このリース料は、契約期間が終わる5年後のリセール価格も影響する。リース料はリース満了後の予定残存価格を差し引いてから算定するからだ。中古車などの二次流通で売る時の価格は、例えば今の相場であればプロボックス / サクシードの下取りはADより5%ほど高くなるのだという。

高橋氏は「プロボックス / サクシードは耐久性の高さで定評があり、ライトバンの中でも信頼のブランドになっています。だから年数が経っても商品価値が下がらない。そうした実績の差が、残価が5%くらい違うということにつながっていると思います」と付け加える。

それほど耐久性が高いなら5年ではなく、もう2年乗ろうという人もいるのではないか。そんな素朴な疑問に矢田氏は「リースは個体の状態に限らず、一般に5年経てば新車に更新することになります。仮に7年乗り続けても月々の支払額は変わりません。ユーザーとしては燃費のいい新型に乗り換えた方がいいという判断になります」と答える。

◆安全性も経費削減につながる

安全性が高ければ、まずはドライバーを事故から守るわけだが、企業にとっても大きなメリットがある。事故が減れば、経営者からみれば経営の効率化、正味作業の増加、経費削減になるし、総務にとっては負担軽減になる上、ドライバーにとっては安心感やES(従業員満足度)の向上につながるからだ。矢田氏は「安全性へのニーズはそうとう高まっています」と言う。

そのため新型プロボックス / サクシードは安全面でも大きく進化している。安全装備では、先代にはなかったVSC&TRC(横滑り防止装置とトラクションコントロール)や緊急ブレーキシグナルが標準装備になった。特にVSC&TRCは、雨の日や雪の日でも走らなくてはいけない商用車にとって恩恵が大きいもの。また、万一の際、歩行者への衝撃を緩和する歩行者傷害軽減ボディも採用されている。さらに長時間乗っても疲れにくいといった快適性の部分も、安全に大きく寄与する部分だろう。

高橋氏は言う。「安全性は、車両を管理する人、会社にとっても大きなポイントです。リースで買えば、クルマとメンテナンスのために支払う料金は毎月同じです。では何が変動要素かと言えば、ガソリン代と事故を起こした時なんですね。この2つを低減できれば、より経済的な魅力につながるのです。その意味で、安全性がより高く、『新卒のペーパードライバーが乗っても大丈夫ですよ』という安心感は、実際に総務の方、車両を管理される方には関心の高いポイントなのです」。

クルマにまつわるもので、事故ほど避けたいものはない。そのリスクを減らす安全性の高さは、新型プロボックス / サクシードの大きな武器と言えるだろう。

《丹羽圭@DAYS》

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