トヨタ自動車は11月5日、2015年3月期第2四半期決算を発表。通期の純利益見通しを期初の減益予想から過去最高の2兆円に上方修正した。
その感想を求められた小平信因副社長は「仕入れ先、ディーラー、お客様などいろいろな方のサポートのおかげで実現できたもの。そのうえで、われわれも原価改善や営業面の努力を行ってきた。いろいろな関係者の努力の結果だ」と話し、「5年先、10年先を考えて持続成長に向けた努力をする」と全く浮かれた様子を見せない。
現在、トヨタは部品の共通化などを含めた「TNGA」と呼ぶグローバルな生産改革を進めている。これによって、利幅の薄い小型車でも新興国市場で安定した利益を出せるようになるという。来年にはTNGAの対応第1弾としてハイブリッド車『プリウス』の新モデルを発売する予定で、順次対象車種を増やす計画だ。そうなると、さらにトヨタの利益が上積みされる可能性は高い。
今後問われるのはその使い道だ。「まず利益が上がれば納税する。そして頑張った従業員に報酬として還元するのは当然のことだ。また、還元という意味では株主への配当だ。今回は中間配当を10円増配した。これからも配当性向30%を目安に持続的、安定的に配当ができるように頑張りたい。社会貢献活動についても、より世間、社会の方々に知っていただけるような努力をしていきたい」と小平副社長。
日本一のトヨタには、日本経済がさらに発展するための使い道がこれからさらに重要になってきそうだ。