【ジープ チェロキー 試乗】近未来感覚のデザインと伝統を受け継ぐ確かな悪路走破性…松下宏

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ジープ・チェロキー
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ジープブランドの中心モデルである『チェロキー』がフルモデルチェンジを受けた。内外装のデザインを一新し、パワートレーンや4WDシステムを新しくするなど、意欲的なモデルである。

外観デザインはこれがチェロキーかと思うくらいに近未来的で斬新(ざんしん)だ。7本の縦スリットが並ぶフロントグリルや四角いホイールハウスなど、随所にアイデンティティーが確保されているが、今や本格派のオフロード4WDであってもデザイン性が求められる時代である。

インテリア回りはそれほど変更された感じではない。普通のSUVというイメージである。パネルの合わせ目などが大きめなのは、アメリカ車らしい大味な印象が残っている。

今回のチェロキーでは駆動方式が変わった。というか、これまではエンジンを縦置きに搭載するFRベースの4WD車だったが、今回のチェロキーではエンジンを横置きに搭載するFFベースの4WD車になり、FF車のロンジチュードも設定されている。

リミテッドに搭載されるV型6気筒3.2リットルのペンタスターエンジンには余裕がある。リミテッドは4WDなので車両重量が重くて1880kgもあるが、エンジンの動力性能は200kW/315N・mの実力があるので、重量級の4WDであることを感じさせない走りを実現する。

電子制御9速ATとの組み合わせによって滑らかな走りが得られるので、クルージングは快適そのものだ。

リミテッドのほかにトレイルホークを本格的なオフロードコースでも走らせたが、走破性の実力はさすがにチェロキーだった。エンジン横置きのFFベースに変わったことなど、全く関係ないといっていい。

しかもタイヤがオフロード専用ではなくM+Sの標準仕様が装着されていたのに、相当な急斜面を登り下りしたほか、前日の大雨でいっぱいにぬかるんだ路面をこなすなど、極めて条件の悪い悪路で高い走破性の実力を示した。

新型チェロキーの4WDシステムは新しい電子制御4WDで、セレクテレインによって路面に合わせた走りが選べるほか、セレクスピード・コントロールと呼ぶ上り坂と下り坂での走りを制御する機構も備えられている。

オフロードコースの条件が厳しいとこうでは、こうした電子制御技術が効果を発揮し、グッグッグッというくぐもった制御音を聞かせながら、着実に走破していくのが安心感があって気持ちよかった。グリップできるポイントを探って確実にタイヤを進めていくので、タイヤで路面を掘りすぎて走れなくなったりしない。

最後にこうした電子制御をカットした標準状態でも走らせてみたが、ていねいなアクセルコントロールを心がければ、標準状態でも走ることができた。4WDとしての基本性能の高さは相当なものがある。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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