試乗車は『C180アバンギャルド』にオプションの“AMGライン”を装着した個体。5スポークのホイールのデザインやサイズはC200のAMGラインとは共通で、見比べても外観上、区別はほぼつかない。
C180はコンベンショナルなコイルサスペンションが標準なので、それをAMGのスポーツサスペンションにチューンしたのが試乗車の仕様だ。その味付けは、C200の同仕様以上にスポーティな印象となっている。
C180はもともと軽快なフットワークが特徴だが、ステアリングフィールにも、サスペンションのストローク感にも機敏さがプラスされている。もちろん決して荒々しさ、ハードさが先立つ乗り味ではない、が、スポーツセダン的な手応えをよりダイレクトに実感できる、そんな走りに仕立てられている。
“レザーグランベリーレッド”と呼ばれる、やや渋味がかった赤いレザーのスポーツシートもキャラクターに見合う。赤味も少しくすんだ渋めの色調なのが大人のセンスを感じさせるところだ。『SLK』もいいが、さり気ないセダンを楽しみながら乗りこなしたい…そう考えるユーザーにとって適切な選択肢になりそうだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。