三菱石炭鉱業大夕張線(大夕張鉄道)の終点・南大夕張駅跡地(北海道夕張市)を中心に保存活動を展開している三菱大夕張鉄道保存会は、9月6・7日に南大夕張駅跡で「汽車フェスタ2014」を開催する。
大夕張鉄道は大夕張炭鉱の専用鉄道として1911年に清水沢~二股間が開通。1947年には現在のJR石勝線夕張支線清水沢駅まで乗り入れ、清水沢~南大夕張~大夕張炭山間17.2kmが全通した。
戦後は高度経済成長期のエネルギー革命もあって炭鉱が衰退し、1973年には南大夕張~大夕張炭山間が廃止。その後は清水沢~南大夕張間7.6kmを結んでいたが、1987年7月22日に全区間が廃止された。最盛期には9600形蒸気機関車の3重連なども見られたが、蒸機運転は1973年で打ち切られ、以後はディーゼル機関車による牽引に変わっている。
廃止時の終点だった南大夕張駅跡には、ラッセル式除雪車のキ1、客車のスハニ6・オハ1・ナハフ1、石炭車のセキ1・2、軌道モーターカー、軌道自転車が保存されている。廃止後は荒廃が進んでいたこれらの車両も、1999年に三菱大夕張鉄道保存会が発足して以来、定期的に補修やメンテナンスが行われるようになり、現在の保存状態は良好だ。
今回の「汽車フェスタ」では、9月6日に前夜祭と保存車両の夜間ライトアップを、9月7日にはモーターカーの走行や鉄道模型の運転、グッズの頒布などが行われる。また、1967年から1985年代まで、美唄や夕張で運行されていた三菱鉱業バス(最終運行時は美鉄バス)のふそうMAR470も展示される。これらは三菱大夕張鉄道保存会の姉妹団体である三菱鉱業バス保存会の手により維持されている。
開催時間は、9月6日が18~19時、9月7日が10~15時。会場となる南大夕張駅跡地は札幌や清水沢方面から出ている夕鉄バスで南部バス停下車。