気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2014年7月30日付
●最低賃金16円上げ、全国平均生活保護と「逆転」解消、厚労省委(読売・1面)
●レクサス新型SUV、トヨタ、独3強に対抗(読売・8面)
●ホンダジェット初公開、年間100機生産へ(読売・8面)
●スカイマーク経営暗雲、旅客機A380購入資金難で見直し(朝日・3面)
●大垣市・西濃運輸が初V都市対抗野球(毎日・1面)
●タイのエコカー生産マツダが認可を取得(産経・10面)
●ホンダ7期ぶり最高益、今期増税後も国内販売堅調(日経・2面)
●タイ自動車生産29%減、1~6月政情混乱が影響(日経・9面)
●パナソニック、年功廃止、賃金制度10年ぶり見直し(日経・12面)
●都市対抗野球を観戦、天皇、皇后両陛下(日経・38面)
ひとくちコメント
低運賃の導入など航空行政に風穴を開けたことでも話題になった国内3位の航空会社スカイマークが欧州旅客機大手エアバスから導入予定の超大型旅客機「A380」について、購入契約の解除を通告されたという。
同社の西久保慎一社長が記者会見で「ファックスで契約解除の通告があった」ことを明らかにしたもので、きょうの各紙が「スカイマーク苦境、700億円損害賠償も」(日経)などと大きく報じている。
一体何が起こったのか。スカイマークは、年内に国際線に本格的に参入するため、エアバスとの間でA380型機の購入契約を結んでいる。契約では5年後までに6機のA380型機を1900億円余りで購入するとしている。
だが、燃料費の高騰や格安航空会社(LCC)との競争激化などで業績が悪化、しかも、円安で購入費用が膨らんだため、今年4月から6機のうち2機の導入時期を先延ばしし、残り4機を解約する案をエアバスに打診して、契約見直しの交渉を続けてきた。
ところが、エアバスからは「購入のキャンセルを含む見直しの条件として大手航空会社の傘下に入るよう要求され」、スカイマークは「他社の傘下に入ることなど考えられない」として、要求を拒否したというのである。
では、これからどうなるのか。スカイマークはエアバスに引き続き交渉を求める考えだが、エアバスの通告通りになった場合、スカイマークはA380を1機も購入できず、前払いした代金計265億円も戻る可能性は少ない。
さらに、エアバスが求める違約金は700億円規模に上ることが想定され、「スカイマークの経営が悪化する恐れがある」(読売)。経営陣の甘い見通しから暗雲が立ち込めており、身売り説も浮上するなど視界不良のままの運航ではかなり厳しいだろう。