【フォード エコスポーツ 試乗】エンジンブレーキの利きは抜群だが、スタイリングとパワーがいまひとつ…岩貞るみこ

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肩からセーターを背負っている男性と、後ろにタイヤを背負っているクルマを見ると、なんとなくしょっぱい気分になるのは私が最新の感覚にアップデートできないせいなのか。

オフロードテイストを主張したいとはいえ、タイヤを背負わせなくてもなあ。そもそも、名前が『エコスポーツ』なのだから、使う確率が非常に低く、反エコといわれるスペアタイヤを積んでいること自体どうよ?

タイヤを背負う弊害は、ラゲッジドアの開閉にも現れる。横開きなのだ。これは好みが分かれるところで、「重い」とか「ちょこっと開けたい」という人に横開きは好評なのだけれど、私のように、開けるか閉じるかどっちか! という短気な性格には、だんぜん上開きが望まれる。雨の日には屋根になってめっちゃ便利だし。オフロード=野外フィールドのクルマなら、絶対、こっちなんじゃないのか?

そして、下の★で、パワーソースはまたもや辛口の★ふたつにしてみた。正直な気持ちなのだから仕方ない。理由はふたつ。ひとつは、アイドリングストップ機能がないこと。地方エリアを走っていると、信号すら少ないのでいらないと言われればそれまでなのだが、市街地を走ると、あの静かさ、迷惑をかけていない安心感は大きい。逆にいうと、エンジンが止まらないクルマは、いまや罪悪感に襲われるのだ。

ふたつめの理由は、パワーがいまひとつ。しっかり出てはいるのだが、上り坂で加速するときのエンジンのがんばり音(回転数が上がるとも言う)がなんとも凹む。フィエスタのエンジンがエコブースト付きで、このターボアシストがなんとも軽快に走らせてくれるのに対し、『フィエスタ』ベースとはいえ、こちらはNAの1.5リットル。エコブーストの爽快感を味わってしまった身には、アナログ感満載の加速は、時代を後ろに引き戻される気分だ。

とはいえ、◯な部分だってちゃんと理解しているつもりだ。Sモードの走りは軽快だし、特に下り坂ではブレーキをちょんと踏んだだけでシフトダウンしエンジンブレーキが面白いくらいにきいてくれる。この安心感やたいしたもので、「下り坂が苦手」という女性諸氏にぜひ、乗ってもらいところだ。

かなり辛口なインプレなのだが、総合評価は★4つ。だって、かわいいし、サスペンションのしゃきしゃき感はたまらないし、街~ロングランまで、走りたいって気分にさせてくれるから。辛い評価は、それだけ期待度も高いということで。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省 安全基準検討会検討員他、委員を兼任。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

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