◆プリウスPHV+SonicPLUS The CREST+デジコア808iを究極パッケージと呼びたい
プリウスPHVの購入から2年経つが、愛車の音質レベルは純正とはかけ離れている。『SonicPLUS THE CREST<ダブルクレスト>』プリウス専用モデルは、一体鋳造アルミダイキャスト製エンクロージャに小径ユニットの組み合わせというソニックデザインのオリジナル思想のスピーカーシステムの導入が最初のステップだった。今回導入した『デジコア808i』は、同ブランドが持つオールインワンのデジタルプロセッサーアンプ。両者の目指すハイエンド思想は変わらないが、「The CREST」がディーラーでも短時間で行える純正と同じボルトオンインストールであるのに対して、「デジコア808i」は腕と耳の確かなカーオーディオ専門ショップでインストールが必要であることが異なる。
一方で、インストールのベースになる車両がプリウスで本当によかったと思っている。『SonicPLUS THE CREST<ダブルクレスト>』のエンクロージュアの容積を見てほしい。タイトな設計によって生まれた究極のエコカーにもかかわらず、これだけの大容量金属エンクロージュアをボルトオン&カプラーオンで搭載可能であったことはオーディオの神様の思し召しとしか言いようがない。しかも、3列シートの『プリウスα』やプリウスPHV、『G'sプリウス』などすべてのプリウスシリーズに対応している。ベース車両の入手は新車でも中古車でも選び放題の恵まれた環境にある。
忠告しておこう。デジコアはCFカード以外は使ってはいけない。誰もがわかるレベルで音が変わる。SDからCFに戻した途端、ヘソの下に気合が入ったサウンドが戻ってきた。そう、これだ。清水店長が自信を持って勧めるデジコア808i&SonicPLUS The CRESTの実力がこの音である。お気に入りのディスクのひとつ、New York Trioの「Blues In The Night」(ASIN: B00005NO5B)再生してゾクッときた。ビル・チャーラップのピアノの左手とベースが濃密に絡むシーンに手の汗を握ったのだ。
その日の家路は幸福そのもの。お気に入りディスクを入れたCFカードの曲は、何を聞いてもツボにハマるサウンド。オリジナル設定でゾクッときたニューヨーク・トリオの「Blues In The Night」は、ジャズクラブで聴く演奏から、自宅にビル・チャーラップが来てまさにそこで演奏してくれているというようなプライベートな音に仕上がった。
ホリー・コールの「Smile」(ASIN: B004FKXHLK)、綾戸智恵「Ban Ban Ban」(ASIN: B002IELBFO)ではやはり、彼女たちが我が家に来て歌ってくれる。目と鼻の先に触れるようにそこにいるのは、空間表現と車内の音響特性、そして私の心情空間の響きが一致したからではないだろうか。もはやボーカルコンテンツをテスト試聴する必要はなくなった。すべてがオーディオ的に完璧であり、ただただ音楽にのめり込むのみ。
ウィントン・マルサリス「Feeling of Jazz」(ASIN:B0001CNQNU)、オスカー・ピーターソン・トリオ「You Look Good to Me」(ASIN:B004QEF7FY)もニューヨーク・トリオの「Blues In The Night」とともに私のオーディオチェック用の代表曲だが、音像定位の正確さ、音の飛び出しの鋭さはエンターテイメントの領域だ。ベースが胃を蹴りあげ、スネアドラムが脳天を叩き、トランペットが目玉に突き刺さる。