【アウディ A3セダン 試乗】接待ゴルフ臭とは無縁の上品セダン、正統派美女にこそふさわしい…岩貞るみこ

試乗記 輸入車

日本におけるセダンの価値は低止まり傾向にあり、よほど付加価値がないと認めにくい。こと女性に似合うセダンとなると、選択肢は壊滅的な少なさになる。だってどれも親父くさいし、接待ゴルフ臭が漂うんだもん。

そんななか、『A3セダン』である。いつもながら上品で上質なアウディだが、このサイズ、この控えめな立ち居地。ジェンダー論をどうこう言うつもりはないけれど、正統派な美しさを追い求める女性にこそ似合う、劇レアな1台といえよう。

ボディを眺めただけで塗装から違う。しっとりとふくよかな表面は、それだけでありがたくて拝みたくなる。シンプルでしつらえのいいインテリア。座り心地のいいシート。コンフォート~ダイナミックなど、ギアやサスペンションを調整して走りのキャラを変えられるドライブセレクトの表示がカタカナで、しかもバカにしているんじゃないかと思えるほど文字が大きいのは興ざめするけれど、それ以外はすこぶる居心地がいい。

走り始めてすぐに感じるのは、サスペンションのいなしのうまさである。路面の凹凸をタイヤとサスペンションの併せ業で上手にいなし、しっとりと駆け抜けていく。期待通り、いや、期待よりちょい上だから、自然と口元がにんまりとゆるんでしまう。圧巻なのは燃費である。試乗車は、パワーが必要ないときは2気筒が休止するシリンダー・オン・デマンド付。高速道路を走らせると簡単に20km/リットルの数字をたたき出し、郊外の信号のない道をゆるやかに流すと、25km/リットルという数字も顔をのぞかせる。アイドリングストップもついていて、渋滞の都心でなければワンタンクで軽く700km走れる航続距離は、安心以外のなにものでもない。

ここ数年、セダンにはまったく興味がなかったけれど、こんなセダンなら話は別だ。セダン人気回復のヒントは、A3が握っている。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞 るみこ │ モータージャーナリスト/ノンフィクション作家
女性誌や一般誌、ラジオなどで活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーと、救急医療を通じて衝突安全を中心に取材をするほか、近年はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。
《岩貞るみこ》

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