日立製作所は、欧州法人である日立ヨーロッパがイタリアのエンジニアリング会社であるバルコムを買収すると発表した。
日立グループは、バルコムの発行済みの全株式に対する売買契約を締結した。今後、契約に基づき、4月中の買収完了に向けた手続きを進める。買収後は、社名を「ヒタチ・エンジニアリング・ヨーロッパ」に変更する予定。
日立は、バルコムが保有する、大手石油会社やエンジニアリング会社などの顧客基盤、人財・ノウハウを活用し、海外での石油・ガス分野向け事業を強化する。
日立は、石油・ガス分野向け事業で、圧縮機、ポンプ、水処理装置、インバーター、モーターなどのコンポーネントや設計・調達・建設(EPC)などを展開しているほか、中東や南米に機器のメンテナンスサービスを行う合弁会社を設立して、大手石油会社向けに機器を納めている。
バルコムは、欧州・中東・アフリカを中心に、石油・ガスプラントなどのインフラ分野向けの電気・計装エンジニアリング事業を展開している。これまで、大手エンジニアリング会社を通じて、サウジアラビアの国営石油会社であるサウジアラビアン・オイル・カンパニーなど、大手石油会社向けの電気・計装エンジニアリングに従事した実績を持つほか、浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)向けの実績も持つ。
日立は今後も、石油や天然ガスなどを産出する資源国で、顧客やパートナー企業との連携を強化し、石油・ガス分野向け事業のグローバル展開の拡大を図る。