【日産 スカイライン 試乗】パワフルでトルクフル、上質なパワーフィール…諸星陽一

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日産 スカイライン
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日産自動車に吸収合併されることになるプリンス自動車。その前身である富士精密工業が1957年に世に送り出したのが初代のスカイライン。新型は数えて13代目にあたる。

新型スカイラインはインフィニティ『Q50』の国内版と考えていい。グリルのエンブレムもインフィニティのものとなった。だが、インフィニティという言葉は使われない。ここがじつに微妙なところで、日産のジレンマを感じることができる……が、この話はいつか機会があればまた書くとしよう。

さて、新しいスカイラインだ。インフィニティQ50には、3.7リットルのV6エンジンモデルや2.2リットルの直4ディーゼルなども用意されるが、国内向けモデルのスカイラインは3.5リットルV6エンジンをベースとしたハイブリッドモデルのみの設定。ハイブリッドのシステムは、基本的にフーガと同じものだ。

パワーフィールはパワフルにしてトルクフル。そして上質である。306馬力のエンジンに68馬力のモーターを組み合わせたパワーユニットは、十分と言って間違いない出来のよさ。アクセルを踏み込み加速していくと、スムーズそのものの加速を味わわせてくれる。巡航中に突然エンジンが停止し、モーターのみでの走行となることもあるが、それもメーターを見ていないと気づかない。もちろんエンジン再始動時も同様だ。私が経験したモーター走行は80km/h程度の速度だったが、条件さえ揃えば130km/hあたりまでモーター走行となるとのことだった。

新型スカイラインでもっとも注目される技術はステア・バイ・ワイヤーだ。これはステアリングホイール(ハンドル)と、前輪が機械的に結合されていない状態で、電子制御によってコントロールされているシステム。ステアリングホイールを回すと電気信号が伝わり、タイヤが向きを変える。タイヤから入る情報も電気信号として変換されステアリングホイールに伝えられる。わだちや大きな段差を越えたときなどの外乱は伝わらないので、ボディに振動は出るもののステアリングホイールはぶれない。

ただし、コーナリングではステアリングホイールの切れ角とクルマの動きに若干の誤差が出る。以前、アメリカでインフィニティブランドのモデルを試乗していて、そのときと比べるとかなりリアリティ感が増しているのだが、それでもまだ若干の誤差があり、それが違和感をまねいてしまう。コーナリングの性能、高い求心Gなどには感動するだけに少しもったいない気がする。

また、ステア・バイ・ワイヤーが万が一、故障した際には内蔵されているクラッチがつながり、ステアリングホイールと前輪は機械的に結合される。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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