日産『エクストレイル』の「エクストリーマーX」。先代T31型でもパッケージとして同様のモデルが用意されたていたが、新型ではラインアップの1つとして当初から設定されている。ご存知のとおりスペシャルモデルが得意分野の“オーテック”の手により仕立てられたこのモデルは、他グレードに対し外観の差別化が図られた。主なアイテムは、フロントのオーバーライダーと、フロント/サイド/リヤに装着されるアンダーカバーなど。さらにフロント大型フォグランプとフィニッシャー、マッドガードも専用。いずれもワイルド方向のアイテムだが、いかにも的ではなく、新型エクストレイルの洗練されたスタイリングにすんなりと馴染んだデザインになっている。17インチアルミホイールも、2トーンの専用品だ。試乗車はチタニウムカーキのボディ色で、カタログ掲載色でもあるだけに、ややオフローダー的な(都会であれば渋めな)いい雰囲気を醸し出していた。室内では細かいがバックドア内側にフックを備える。ドアを開けた状態でランプなどをかけて使うのに便利だろう。インテリアのしつらえ、クルマのスペックは「20X」の4WD車と同等で、3列シートも選べる。走りは「20X」そのもの。ただし先に開催されたプレス向け試乗会時点よりわずかながらも走行距離が伸びたせいか、おろしたてよりもクルマ全体がこなれた印象で、とくに足の“しとやかさ”が増して感じられた。それは『エクストレイル』本来の味で、新型であってもやはり懐の深いSUVらしさが実感できる…そう再確認した次第だ。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。