レクサス『CT200h』は、今回のマイナーチェンジに際し、静粛性の向上にも力を入れて開発されたという。
CT200hのボディ形状はハッチバックタイプである。トヨタ性能実験部車両運動性能開発の田邊和則さんによると、「ハッチバックは、後席乗員から、ザーッというロードノイズが入ってきて、長距離乗っていると嫌だ、うるさいといわれる傾向がある」という。
そこで、CT200hのマイナーチェンジでは、「運転していても、後席にゆったり座っていたとしても、違和感のないくらい静粛性を向上させた」と話す。これは、「ボディ剛性の向上とともにNVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)性能を向上させることで実現出来た」と田邊さん。
具体的には、「ボディには配線を通したりする穴などが多く開いている。そうしたところの構造を見直し、例えばワイヤーハーネスなどが通る部分の穴を少しでも小さくするほか、穴が開くのは必要なことなので、そこから入ってくる音に対しては吸音材で対応した」と述べる。つまり、「遮音出来なかったものは吸音するしかないので、遮音材にプラスして吸音材を付加することで、静粛性の向上を実現させた」と説明。
吸音材に関しては、ルーフ部分にも使われた。「ルーフに雨だれが落ちたとき、その音が安っぽく“ぱーん”と響いてしまうと、途端にクルマも安っぽく感じられてしまう。そういった音にもこだわり、ルーフの裏に吸音材をみっちり詰めて対応している」と語った。