【新聞ウォッチ】昨日の友は今日の敵、仏プジョーに東風汽車が出資

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シトロエンDS4とプジョー508SW
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2014年2月20日付

●スノボ竹内「銀」女子パラレル大回転(読売・2面)

●プジョーに中国資本「東風」8億ユーロ増引き受け(読売・8面)

●車・鉄鋼ベア攻防、労使協議始まる、トヨタなお慎重(読売・9面)

●水上プカプカEV川崎のベンチャー開発(朝日・11面)

●高速道すべて復旧、大雪依然、孤立2271世帯(毎日・1面)

●自動車各社の工場再開、想定外の雪、フル生産に影響(産経・11面)

●三菱電機社長に棚山氏が昇格(日経・1面)

●トヨタ、6年ぶりベア、業績回復で日立も実施へ(日経・1面)

●カーシェア大手、増税で料金横並び崩れる (日経・11面)

●車鋼材価格横ばい、トヨタと鉄鋼大手決着(日経・13面)

●米州の営業益最高へ,カルソニックカンセイ、生産正常化、今期81億円(日経・15面)

ひとくちコメント

経営の立て直しを急ぐフランスの自動車大手のプジョー・シトロエングループ(PSA)が、中国自動車メーカーの東風汽車集団と、フランス政府の資本参加を受け入れることで合意したという。

それによると、PSAが総額30億ユーロ(約4240億円)を増資し、東風汽車集団と仏政府が8億ユーロ(約1120億円)ずつ受け入れるもので東風汽車とフランス政府は、PSA株式を14%ずつ保有するという。

日経は2月19日の朝刊でも「名門復活へ“3頭体制”」といち早く報じていたが、PSAが19日に正式発表したのを受けて、きょうの読売、毎日なども伝えている。
PSAは、フィリップ・バラン最高経営責任者(CEO)が辞任して、元ルノー最高執行責任者(COO)のカルロス・タバレス氏が後継のCEOに就く人事を発表したばかり。

タバレス氏といえば、テストドライバーとしてルノーに入社。日産自動車にも籍を置いた親日家で、ルノーのナンバー2に昇進した。ところが、カルロス・ゴーンCEOの後継人事について、米メディアに不満を漏らしたことがゴーン氏の逆鱗に触れ、昨年8月に事実上更迭されていた。

東風汽車は日産やホンダなどとも合弁生産を行っており、中でも中国進出では後発の日産が日系メーカーでトップシェアに躍り出たのも東風と提携したシナジー効果によるところが大きい。

おひざ元の欧州市場で苦戦するPSAは、東風との資本提携で、成長が見込める中国やアジア市場での生産・販売体制を強化する狙いがある。昨日の友は今日の敵…外資にはよくあることだが、ゴーン氏と袂を分かったタバレス氏の東風を巻き込んだ中国における “仁義なき戦い”の行方が注目される。

《福田俊之》

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