トヨタ ランドクルーザー プラド小鑓CE「クルマに命をかけられる安心感を世界に届ける」

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トヨタ自動車 製品企画本部 ZJ チーフエンジニアの小鑓貞嘉氏
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  • ランドクルーザー プラド リフト
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トヨタは、『ランドクルーザー プラド』がスキーリフトの代わりに一般客を乗せゲレンデを駆け上がる雪上体験イベント「ランドクルーザー プラド リフト」を、星野リゾートアルツ磐梯スキー場にて、2月15日・16日の2日間開催した。

イベント前日に行われたプレス体験会において、ランドクルーザープラドの開発を手がけたトヨタ自動車 製品企画本部 ZJ チーフエンジニアの小鑓貞嘉氏にインタビューをする機会を得た。


◆世界で人気の本格四駆の性能を体感していただきたい

----:今回このようなイベントを開催した意図は何でしょうか。

小鑓:最近日本では、プラドのような本格四駆のクルマが昔に比べて少なくなってきています。しかし、世界ではランドクルーザーはまだまだたくさん売れていて、プラドは月に1万4000台ほど、『(200系)ランドクルーザー』は1万台ほど。日本では販売していないが、『(70系)ランドクルーザー』も月に6000から6500台ほど売れています。世界中で愛用されているクルマがトヨタのラインナップには存在するのに、日本ではなかなか触れる機会がありません。世界で愛用されているトヨタのクルマを体験してほしいという思いから今回企画をしました。ちょうどプラドが8月にマイナーチェンジをしたので、日本のお客様にもこのクルマの良さを体感し、知ってもらいたいというのが狙いです。

----:オフロード性能を体験する場として雪山を選んだ理由を教えてください。

小鑓:開発では雪の中での性能評価も行っていますが、実際にゲレンデの中を人と一緒に走行するのは面白いなと。ゲレンデで行うことで、多く人の目に触れることができ、体感することもできます。本来リフトで上るところをクルマで登ることができるのか、大丈夫かな、とみなさんは思うかもしれませんが、ちゃんと登ることができます。このイベントを見た人が驚いていただければ、ここでやった価値があると思っています。

----:今回のイベントで、開発者として体験してほしいポイントは何でしょうか。

小鑓:雪の急斜面やモーグル路は本来普通のクルマでは行けないところですが、このクルマは世界中の過酷な路面を走破してきています。8月のマイナーチェンジでは、プラドの持っている元々の高い基本性能をブラッシュアップし、制御系や車両の動きをかなりレベルアップさせました。こういった路面でも、より快適に走行ができるように改良をしており、そこを体験してほしいですね。


◆「命の賭けることができるクルマを選ぶ」

----:マイナーチェンジではどのような改良を施したのでしょうか。

小鑓:ランクルの開発思想は60年以上の歴史の中で変わっていません。開発思想である「信頼性」「耐久性」「悪路走破性」をさらに向上しつつ、時代に要求に合わせてオンとオフでの快適性に改良を加えました。このような雪での例で言うと、4年前に「マルチテレインセレクト」というシステムをランクルファミリーとして出したのですが、200系ランドクルーザーが3年前にマイナーチェンジをした際、より進化した「マルチテレインシステム」を導入しました。今回、3年前よりさらに進化した「マルチテレインシステム」を開発し、4モードだったのが今回5モードになりより悪路走破性が高くなりました。

----:世界では様々なメーカーから本格的な四輪駆動のクルマが出ていますが、ランクルが世界中で愛される理由はなんでしょうか。

小鑓:ランクルは元々生活に密着したクルマであり、お客様には必要な性能を買っていただいていると思っています。他のクルマと違うのは、ランクルが必要だから買うということです。開発では、趣味ではなく生活や仕事に密着した性能作りをやっています。アフリカの極地で求められる性能は「ファッション性」ではありません。行きたいと思う場所に行け、なおかつ帰ってこられるかどうかという時には「信頼性」「耐久性」「悪路走破性」が求められます。都会から10分も走ると何もない地域で生活する人は、自分の命を賭け生活をしているので、命の賭けることができるクルマを選びます。そういった方に選ばれているのがランクルなのです。私たちは、いったん買うと他のクルマと違って手放せないクルマ作りをしています。

----:日本ではなかなかランクルの性能を体験できるシチュエーションはないのではないでしょうか。

小鑓:日本ではなかなかないですが、世界で選ばれているクルマを日本のお客様にも知ってもらうことが重要です。プラドには、今日のようなシチュエーションでも安心して乗り越えていくことができる性能があります。そういった安心感を買っていただくというのもありますし、それだけの価値のあるクルマです。


◆力強さは残しながら、ちょっと尖った印象に

----:ランクルの持つ安心感に繋がる要素はどのようなものでしょうか。

小鑓:安心感は開発思想の3つの考えに大きく繋がっています。走れない状況が発生してしまっては安心感には繋がりません。お客様の使う全てのシチュエーションで行って帰ってこれるというのが安心感。それが信頼性と走破性に繋がります。耐久性に関しても、過去の40系が24年、70系だけでも30年の歴史があり、この2台でランクルの歴史をほぼ形成しています。今でも100万km以上走った40系が世界の悪路の中を走っていて、長く走っても壊れない耐久性というのは安心感に繋がると考えています。都会だけを走っていると、ランクルはファッション性の高いクルマになってしまうかも知れませんが、このイベントのような悪路ではどのようなクルマに安心感を感じるか、どのクルマを選ぶかを考えた時、私はこのクルマを選びますし、クロスオーバーは選ばれないと思っています。そのクルマに命をかけられるかというのが最大の安心感に繋がるのです。

----:日本ではファッション志向のライトなクロスオーバーが多いですが、その状況をどう思いますか。

小鑓:ファッショナブルなクロスオーバーは様々なお客さんにとって大事な話です。しかしプラドもファッション性を全く無視している訳でありません。機能性を重視しながらも、多くのお客様に受け入れられるために、オンでもクロスオーバーや乗用車に匹敵するような性能を持たせるよう開発をしています。デザインも大事な要素なので、先代では落ち着いた顔をしていましたがが、ランクルのもつ力強さは残しながら、ちょっと尖った印象の顔にしたのも開発の狙いです。

----:ランクルの伝統に沿いながらもトレンドに合わせるということでしょうか。

小鑓:オーソドックスな顔の方が好きという人もいますが、最近は尖った顔の方が好まれる傾向にあります。プラドはランクルファミリーの中でも、気軽に乗ることができ、街中でも乗れるような性格を持っています。今回は、ちょっと変わったのかなと思えるような表現をしましたが、ランクルの開発思想を簡単に放り投げ、ファッション性に傾くことは決してありません。

----:ランクルファミリーのポジショニングについて教えてください。

小鑓:私の中で真のランドクルーザーというのは70系だと思っています。70系はワークユースで、電子制御も入ってなくてクロカンに近い性格の生活必需品としてのクルマです。一方、200系はワイドレンジに使うことができ、日本でもファッションとしての側面もありますが、世界では高級車としても認識されています。しかし70系のように、国連、赤十字などの活動でワークスユースとして災害や紛争地域で活躍しています。豪華からワークユースまで大きな領域をカバーしているのが200系です。一方のプラドは、70と200の中間で、オフのハードな走りからオンのライトユースまで使うことのできる仕様となっています。
《橋本 隆志》

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