JR東海は2月13日、名古屋工場(名古屋市中川区)の耐震化工事を実施すると発表した。同時に大規模な改修工事も行う。同工場の大規模な改修工事は1924年の現在地への移転以来、初めてとなる。
名古屋工場は1890年、関西鉄道(現在の関西本線や草津線)の四日市工場として四日市駅構内に設置。後の国有化や移転などを経て、国鉄分割民営化によりJR東海の工場となった。敷地面積は約8万9000平方m。
現在は自動車の車検に相当する鉄道車両の法定検査のうち、オーバーホールに相当する全般検査、ブレーキやモーターなど重要な部品を検査する重要部検査などを行っている。JR東海では在来線車両の全般検査と重要部検査を実施できる唯一の工場で、1年あたり約450両の電車・気動車の検査を行っている。
今回の工事では工場内の建物の耐震性を確保するため、延床面積約1万4000平方m分の建替えを行うほか、約2万3000平方m分の補強を行う。また、車両の検査・修繕で使用している機械設備110台の更新・改良や修繕ラインの見直しも実施。「質の高い検査ができるようにするとともに、労働災害の起きにくい環境にする」(JR東海)。このほか、省エネルギー対策として高天井用のLED照明や高効率の変電設備も導入し、工場全体の電力使用量を約2割削減する。
費用は約180億円で、工期は今月から2022年3月まで。全般検査などを実施しながら工事を行うため、長期の工事になるという。