軍用四輪駆動車をルーツとするジープ『ラングラー』を雪上で試乗する機会を得た。日本国内では積雪路は日常で体感できるオフロードコース、長野県の白馬村でラングラーの性能を体験してみた。
今回試乗したのは4ドアモデルの『ラングラーアンリミテッド』、雪上試乗であるためスタッドレスタイヤを装着している。ボディーはハードトップを取り外すとオープンモデルとなるため車内にはむき出しのフレームが存在、車内に乗り込むと独特の雰囲気を楽しめる。
実際に試乗してみると、走り始めてすぐに“SUVとは違う乗り物だ!”というのがわかるほど、路面の状況をダイレクトに伝えるハードな乗り心地で、オフロード版のレーシングカーといった感覚。
最高出力284馬力、最大トルク35.4kg/mを発生する3.6リットルV6のエンジンは、2トン近い車体であってもオフロードにおいて自在にコントロールできるパワーを持つ。荒れた路面を再現した特設コースでは、人間が歩行するには困難な深さの積雪であってもスタックする様子もなく乗り越え、しっかりとしたボディ剛性も感じることができた。
お世辞にも経済的とはいえないジープ『ラングラー』であるが、移動の道具として車が主流となる現代のなかで、趣味性の高いスポーツカーと対局の位置に存在する、非日常性を楽しめる1台といえるだろう。