京阪電気鉄道と京阪流通システムズ、京阪ザ・ストアは1月28日、樟葉駅(大阪府枚方市)の駅前商業施設「KUZUHA MALL(くずはモール)」のリニューアルについて、3月12日にグランドオープンすると発表した。
KUZUHA MALLは1972年、京阪が樟葉駅周辺に開発した大規模住宅地「くずはローズタウン」の中核施設「くずはモール街」としてオープンしたのが始まり、2005年には「KUZUHA MALL」としてリニューアルし、本館と西館、KIDS館の3館構成で営業してきた。
今回のリニューアルでは、西館を本館増床部、KIDS館を南館として建て替えた。営業面積は5万平方mから7万2000平方mに拡大。新たに約140店舗が出店し、大阪府内では最大級の商業施設になる。
新しいKUZUH MALLは、本館増床部の「ハナノモール」、本館既存部の「ミドリノモール」、南館の「ヒカリノモール」で構成される。1972年オープンのくずはモール街は、くずはローズタウンのキャッチフレーズ「花と緑と太陽の街」に連動して「花のモール」「緑のモール」「太陽のモール」の3モールで構成されていたことから、この名称を継承・進化させる形でゾーン名称を決めた。
くずはモール街の環境演出として朝と夕方に鳴り響いていた鐘の音も「モールメロディ」として復活。保管していた鐘を実際に鳴らして録音・デジタル処理し、毎日12・15・18時の3回、館内に流す。鐘の実物も展示する。モールメロディの制作は、鉄道マニアとして知られる音楽プロデューサーの向谷実さんが担当した。
本館ハナノモールはファッションやインテリア、雑貨を集積。本館ミドリノモールはファッションや飲食店など35店舗が新たにオープンする。南館ヒカリノモールでは1階に「SANZEN-HIROBA(さんぜんひろば)」を設けるなど、アミューズメント機能を導入する。
SANZEN-HIROBAでは、2013年3月に引退した8000系8030番台(旧3000系「テレビカー」)の先頭車・8531号車(旧3505号車)を展示する。車体を固定した静態展示だが、向谷さんのプロデュースによる「デジタル動態保存」を実現。デジタル技術を駆使して「運転操作に合わせて画像や走行音が流れ、実際に線路上を走行しているかのようにリアルな運転や乗車体験が楽しめる」ようにするという。このほか、京阪沿線の景色を再現したHOゲージ鉄道模型のジオラマや、8000系先頭部の運転台を使った運転シミュレーターも設置する。
樟葉駅構内の店舗と駅ビルもKUZUHA MALLと一体的にリニューアルし、クイックリーサービス型の物販・サービス業を強化する。駅ビルはKUZUHA MALLと同じ3月12日にリニューアルオープンし、テナントごとに順次営業を開始。駅構内店舗のリニューアルオープンは5月中を予定している。