マツダ人見執行役員、ダウンサイズせずにSKYACTIV-Gの燃費向上図る

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エコプロダクツ2013 マツダブース
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マツダの人見光夫執行役員は12月19日に横浜市で開いた技術説明会で、欧州メーカーなどが採用しているダウサイジング過給の手法を使わずに、ガソリンエンジンの更なる燃費向上に取り組む考えを明らかにした。

『デミオ』から順次搭載が始まったガソリンエンジンSKYACTIV-Gは、14.0の高圧縮比と、吸排気圧力差および機械抵抗の制御改善で、25.0km/リットルの低燃費を実現した。

人見執行役員は、圧縮比を高めるにはノッキングの起こしにくさで決まるとした上で、「SKYACTIV-Gと同じノッキング性能を過給ダウンサイジングエンジンで出そうとすると圧縮比は10.0程度になる。つまり3~4くらいSKYACTIV-Gよりも低く抑えるしかない」と説明。

その一方で「過給ダウンサイジングするとエンジンが小さくなるので(平坦路を一定速で走行するような)軽負荷時の燃費は良い」としながらも、「しかし圧縮比が一番効くのは(アクセルを踏み込む)中高負荷時で、この部分はSKYACTIV-Gが負けることはない」と強調する。

さらに「欧州メーカーが過給ダウンサイジング車を日本で販売する場合は、ノッキングを抑えるためハイオク指定にしている。しかし、ハイオクガソリンは精製時に4%くらいCO2を余計に出す。我々もハイオクにすれば5%くらい燃費良くできる。しかし1リットル10円負担が増すし、CO2面でも良いわけではないので、我々はそういうことはしない」とも語った。

人見執行役員は、自然給気であるSKYACTIV-Gの利点をいくつかあげた上で、今後の取り組みとして「我々が負けている軽負荷域の効率を良くする技術開発を進めている。これができれば2リットルエンジンでも1リットル過給ダウンサイジングエンジンのどの領域でも負けないエンジンになる」と述べた。

具体的には「画期的に今後燃費を改善するには、均質リーンバーンにもっていくしかない。ただし、スパークプラグで燃焼させるようなレベルではない。それには圧縮着火、ディーゼルエンジンのようにガソリンを燃やすことになる」と述べ、HCCI(予混合自己着火)燃焼による燃費改善を目指す考えを明らかにした。

人見執行役員は、HCCI燃焼の実現には様々な課題があるとしながらも、「今のSKYACTIV-Gよりもまだ3割くらい改善できる」との見通しを示した。ただ具体的な実用化の時期は示さなかった。

《小松哲也》

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