【マツダ アクセラ 試乗】プレミアム感高いスポーツハッチ…高根英幸

試乗記 国産車
マツダ・アクセラ 20SツーリングLパッケージ
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新しくなったアクセラは、随分大きくなったように見える。しかし実際のボディサイズは、全長は変わらず、全幅が40mm広くなっただけ。15mm低くなってピラーから緩やかに流れるルーフが、クルマを大きく見せているのだ。

2Lエンジンはスカイアクティブによってパワーと省燃費を両立しているという触れ込み通りのパフォーマンス。同じエンジンを積むアテンザよりコンパクトで軽いこともあって、発進から力強いトルクを感じさせてくれる。

乗り心地もいい。本当に18インチホイールでタイヤの内圧がフロント240kPaなのかと思ってしまうほど、マイルドなのである。ちなみにタイヤの銘柄はTOYOのプロクセスT1スポーツ。ロードノイズの低さが静粛性も高めているから、クルージングも気持ちいい。

それにしてもドライビングポジションの自然さには、ちょっと驚いた。ペダルレイアウトの自然さだけではない。手足を自然に投げ出したところにペダルとステアリングがある。まるで幼児用のチャイルドシートに乗せられているかのような、腰を中心に包み込まれるような感じ。少し腿を持ち上げられるような、尻下がりなポジションが少しも違和感がない。このヒップポイントの低さは、大きく寝たAピラーでも乗降性を高めているようだ。

しかし、首都高速を走ってみるとハンドリングのキレが思ったほど鋭くないのにも気付かされた。乗り心地同様、先代よりもマイルドな印象なのである。フロントタイヤの応答性は適度にシャープで、まずはフロントが向きを変えるが、リヤタイヤのヨーが立ち上がるのがゆっくりで、ジワッと穏やかな感じで車体全体の旋回が始まる。

追い越し加速などで引っ張ってみると、中速域から高回転域に差しかかる4000~5000rpmのエンジン音がスポーティで爽快だ。それ以上回しても騒がしくなるような感じではなく、パドルシフトを駆使して走りが楽しめる。ただ、むしろ中速域のトルクがフラットに厚すぎるのか、加速感にやや盛り上がりに欠ける気もした。

それでも容赦なくアクセルを踏み込んでも、平均燃費は11km/Lを割り込むことはなかったから、余裕のトルクを活かして普通に走ったら、かなり実燃費は良さそうだ。20SツーリングLパッケージは、このサイズとしてはかなり上質感も高いスポーツハッチである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア・居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

高根英幸/自動車&工業技術評論家(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
芝浦工大機械工学部卒。トヨタ直営ディーラーの営業、輸入車専門誌の編集者を経てフリーの自動車ライターに。クルマのメカニズムすべてに興味をもち、旧車からハイテクまで納得いくまで解析。ドライビングだけでなくメンテナンスやモディファイも自ら積極的に楽しむ。自宅1Fの書斎兼ガレージには整備用リフトも完備。著書に「クルマのハイテク」(ソフトバンク・クリエイティブ刊)

《高根英幸》

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