【池原照雄の単眼複眼】軽の大健闘で13年内需は昨年並み530万台レベルに

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◆2年連続の500万台突破が確実

年初には厳しい展開になると見込んでいた国内の新車マーケットが、予想外に好調となっている。2013年も残すところ今月のみなので、12年12月の実績に、ここ3か月並みの伸び率(15%)を乗じて年間の需要を予測してみた。結果は、ほぼ前年並みの534万台(前年比0.5%減)という数字になった。内需の500万台乗せは2年連続であり、自動車メーカー各社の好業績などとともに、自動車産業にとっては明るい年越しとなりそうだ。

今年11月までの国内新車需要は前年同期を1.2%下回る約495万台で、大台に届くところに来ている。登録車は5%減少しているが、軽自動車は逆に5%の増加となっている。こうした11月までの数値に、昨年12月の実績に15%プラスした数値を合算すると、登録車は325万台(前年比4%減)、軽自動車は209万台(5%増)、そして全需が534万台となる。

◆軽は209万台規模で7年ぶりに最高を更新

昨年の全需が537万台だったので、ほぼ同水準だが、ホンダの『フィット』のようにハイレベルの受注を抱えるモデルも少なくないので、締めてみると昨年を上回ったということもあり得るだろう。このうち、軽自動車の209万台という予測数字は、過去最高だった2006年の202万台を7年ぶりに更新するものだ。

軽自動車最大手のダイハツ工業は10月末の第2四半期決算発表の際、13年度ベースの軽市場が210万台規模に達するとの見通しを示していたが、そのラインに沿った展開となっている。この209万台という予測では、全需に占める軽比率は39.1%。1970年代以降では過去最高だった12年の36.9%から一気に2ポイント強も高まる。

今年の新車需要が想定以上に強含みになったのは、(1)超円高の修正に伴う企業業績の好転や株価の回復、(2)14年4月からの消費税増税に伴う前倒し需要の顕在化―とともに、外国メーカーを含む「商品魅力の向上」といった要因がある。軽自動車は、国内マーケットでもともとダウンサイジング志向があったなか、まさに商品魅力の向上が一気に進み、今年の大躍進につながった。

◆充実する登録車の奮起も期待できる14年

軽の魅力向上は、2年前の11年末にホンダが「N」シリーズの投入によるテコ入れに踏み出したのを契機に、ダイハツ、スズキという2大勢力の開発競争が刺激されことが大きい。また、今年6月になって初のモデルが投入された日産自動車と三菱自動車工業の共同開発プロジェクトもマーケットの拡大に貢献している。

ここに来て、消費税増税の前に購入しようという駆け込みの動きも、軽はより顕著になっているようだ。売れている軽自動車の大半のモデルは、エコカー補助金の免税対象車であるため、現時点では不透明な14年4月からの自動車取得税などの扱いに関係なく、今年度内の購入がお得になるからだ。

鬼が笑うのを承知で14年の国内需要を展望すると、消費税増税の春以降の反動減は必至であり、いま、山の高い軽はより深い調整に入る。来年は軽の低迷を登録車の巻き返しで、“消費税ショック”を超える展開になればと希望的な観測ももっている。フィットのほか、同じホンダの『ヴェゼル』、日産の『エクストレイル』、マツダの『アクセラ』、来年登場のスバルの『レヴォーグ』など、日本車(登録車)の新商品群は近年になく充実していくのだから。
《池原照雄》

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