3.5リットルV6ハイブリッドに一本化したクラウン マジェスタの狙い

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3.5リットルV6ハイブリッドに一本化したクラウン マジェスタの狙い
  • 3.5リットルV6ハイブリッドに一本化したクラウン マジェスタの狙い
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  • トヨタ自動車 製品企画本部 ZS主査 秋山 晃氏(左)と製品企画本部 ZS主幹 岩月健一氏
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9月9日、トヨタ『クラウン』シリーズの上位機種である『クラウン マジェスタ』がフルモデルチェンジした。新型のトピックは、パワートレインが先代モデルの4.6リットルV8から、3.5リットルV6のハイブリッドに変更されたことだ。

「パワートレインは先代クラウン・ハイブリッドのシステムを大幅に改良したものです。システム全体を見たときにエンジン単体の燃費改善は必須です。そのために圧縮比を上げて、低フリクション技術を採用しました。それと我々が次世代「D4-S」と呼ぶ直噴技術も採用しています。供給する燃料圧を高めて、インジェクターの形状も最適化して燃焼効率を高めています。その上で、システム全体で、エンジンとモーターをどう使い分けると良いのか考えて開発を進めました。もちろん燃費をよくしながらも、動力性能や音振性能を犠牲にするわけにはいきません。そこをどうバランスさせるかという開発をシステム全体で行ってまいりました」と製品企画本部の主幹である岩月健一氏は説明する。

そうした開発の結果、新型「クラウン マジェスタ」は、システム合計出力252kW(343馬力)という従来のV8モデル同等のパワーを手に入れた。これは現行クラウンの2.5リットルハイブリッドの162kW(202馬力)どころか、クラウン・アスリートの3.5リッターV6の232kW(315馬力)さえ上回るスペックである。

しかも、新型マジェスタのJC08モード燃費は18.2km/リットルで、従来型の8.7km/リットルから2倍ほども優れた数字を達成したのだ。

「先代のマジェスタはV8オンリーでした。そのパワーや質感を逸することなく、こういうご時世ですから、世界トップの環境性能も両立できる最適なパワーユニットは何か? と、落とし込んでいったらところ、3.5リッターのハイブリッドになりました」とは製品企画本部の主査である秋山晃氏の弁だ。

また、秋山氏は、新型で3.5リッターハイブリッドを選択したのは、もうひとつの理由があるという。

「新しいクラウンは2.5リットルのハイブリッドとなりました。あちらも圧倒的な燃費性能を持っているので、ほとんどのお客様のニーズをカバーできるかなと私たちは思っていました。ところが従来の3.5リットルハイブリッドに乗っておられる方は、新しい2.5リットルハイブリッドでは満足できないという方もいらっしゃいました。そういう方もターゲットということで、クラウン マジェスタは3.5リットルのハイブリッドとしたのです」と秋山氏。

「乗り心地と走行安定性という点では、旧来のマジェスタに対して、かなりレベルアップしています。ですから、後ろに乗るクルマと思われないで、ぜひ運転をしてほしい。ハンドルを握っても楽しいクルマになっていますよ」と秋山氏は続ける。

なるほど、新型マジェスタはショーファーカーだけでなく、ドライバーズカーとしての色合いも濃くなっているというわけだ。確かに、上にレクサスという存在がある現在のマジェスタにとって、ショーファーカーとしての存在意義はレクサス以前よりも薄まりつつある。ドライバーズカーとしてシステム出力252kW(343馬力)を持つ最速のクラウンと見れば、また別な魅力となるのだろう。

《鈴木ケンイチ》

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