フランクフルトモータショーの会場「フランクフルト・メッセ」は広大だ。構内には11のホール+αがあり、屋外にも展示スペースや市場スペースが設けられている。メルセデスやBMW、アウディといった地元の大メーカーは1ブランドで1ホール丸ごと使うなど、非常に贅沢なスペースの使い方だ。
この広大なスペースを徒歩で移動するには、かなり骨が折れる。動く歩道も用意されるが、長い距離を歩かされるだけでなく、階段やエスカレーターなど上下の移動も多い。
そこで役に立つのが「プレスシャトル」と呼ばれる構内移動用の無料タクシー。ここで使われているプレスシャトルは、BMW『i3』やシボレー『ボルト』の姉妹車であるオペル『アンペラ』、アウディ『A3 eトロン』といった最新のエコカー。また、シトロエンのミニバン『グランドC4ピカソ e-HDi』はいわゆるアイドリングストップとブレーキ回生機構をもつ、マイクロハイブリッド車だ。
プレスシャトルは環境に優しく乗り降りのしやすいモデルだけでなく、変わり種もある。ローバー時代の『mini』がそれ。窮屈ではあるが、人混みのなかをかき分けて移動するにはうってつけのコミューターだ。音もなく走るEVは周囲の人が気づかず、クラクションを鳴らして慌てて人がよける光景をしばしば見かけたが、miniなら排気音ですぐそれと分かる。
おもしろがってminiに乗ろうとする人も少なからずいて、i3とminiがすれ違う光景はなんともユーモラスだ。