今年7月の小改良で、1.3リットルSKYACTIV車に2つの個性が打ち出しの特別仕様車を新(再)登場させた『デミオ』。いずれも欧州コンパクトカーのような、大人のセンスが生かされたモデルなのが注目される。
一方でそのベース車でもある「13-SKYACTIV」も地味であるが変更を受けた。トピックはオプション類に新アイテムが加わったという点。チェックしておくと、外観ではLEDヘッドランプ、フロントフォグランプなど新しい。
また従来からオプション設定された「スタイリッシュパッケージ」に内装関係のアイテムが品目に加わった。具体的には、ステアリングホイールベゼル、センターパネル、シフトパネル、ドアとリムガーニッシュの各部が“艶アリの濃いガンメタ塗装”になるというもの。
試乗車もコレを装着していたが効果は歴然。標準(艶なしのシルバー塗装)に較べ、厚みのあるクリア塗で装見た目もシットリとした触感も断然いい。デミオのインテリアはシンプルな構成要素でデザインされており、ともすればややチープさ、物足りなさを感じる。が、オプションのアイテムはいいアクセントになり、室内の上質感アップにおおいに貢献している。
走行性能面はとくに手が入っていないようで、概ね従来どおりの走りのイメージ。25.0km/リットルの低燃費を打ち出す1.3リットルSKYACTIV+CVTの走りは、軽快なものだ。ただしVW『ポロ』のTSIなどを知っていると、欲を言えば、場面によりパワー感などあとひと息と思うこともある。それはCVTとの連携にも起因していそうだが…。対してしっかりとした乗り味、手応えが実感できるステアリングフィールなどは、同クラスでは傑出しており、そこがマツダ車らしい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。