【いつもNAVI[ドライブ] インプレ前編】車ナビ特化でビルトインナビ並みの使い心地を実現

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いつもNAVI [ドライブ] インプレ前編
  • いつもNAVI [ドライブ] インプレ前編
  • アプリ本体をインストール後に、アプリから地図データをインストールするようになっている。基本地図のみで使うことも可能だ。
  • ダウンロードは充電ケーブルをつないで行うことが推奨されている。
  • 高精細で美しい地図。アイコンや文字の大きさはそれぞれ3段階に調整できる。
  • スケールは10mまであり、40m以下では一方通行の表示が、20m以下では建物の形が表現される。
  • 目的地の検索メニュー。電話番号検索はスクロールすると出てくる。
  • ケータイ方式の文字入力。フリック入力に慣れていると少し使いにくい。
  • 目的地が見つかったら「ここに行く」をタップ。目的地の周辺検索をすることも可能だ。

日本人に馴染みの深いゼンリンの地図データを使い、一貫して親しみやすいナビアプリを追求してきたゼンリンデータコムの「いつもNAVI」シリーズ。

今回はその豊富なラインアップの中から、カーナビ用途に特化したAndroid向けに提供されている「いつもNAVI[ドライブ]2013年版」を紹介しよう。スマートフォンでカーナビ専用機の使い心地を再現することに特化したスタンドアロンタイプのカーナビアプリだ。

◆買い切りの地図データは容量約5GB、大容量のMicroSDカードを用意したい

いつもNAVI[ドライブ]は地図データを端末側に保存し、カーナビ用途だけに特化したアプリ。1本でカーナビから乗換案内までこなす「いつもNAVI」とは対照的に用途を絞り込んだアプリであり、この1~2年ほどの間に主だったカーナビアプリベンダーが相次いで投入してきたスタンドアロンタイプのカーナビアプリの1本といえる。

おおまかな特徴として、圏外など通信ができない状況でもほぼすべての機能を使える、操作に対してレスポンスに優れるといった点はライバルと同様。端末のストレージを圧迫してしまうのが難点であるのも同じだ。本アプリだけの特徴としては、ほかのカーナビアプリの多くが1年、あるいは一定期間の利用料金を設定しているのに対して、本アプリはデータの買い切りというシステムになっている。はっきりとした説明がないので断言はできないが、一度インストールすればいつまでも利用できる代わりに、地図のアップデートはされないようだ。

本アプリの価格は3,750円で、現在、旧バージョンのユーザー向けの2013年版の地図データが同じ3,750円で販売されている。おそらく、1年に1度くらいのペースで最新の地図データが発売され、それを購入することによってアップデートができるシステムのようだ。つまり、実質的には年額3,750円で利用できるのと同じだといえる。ただし、地図の購入を見送って出費を抑えることができるなど、自由度が高いシステムといえるだろう。反面、地図のアップデートが1年に1回のみだとすれば、ライバルより更新間隔が長くなってしまうのが難点といえる。

地図データの容量は「基本地図」2.7GB、「詳細地図1」1.3GB、「詳細地図2」1.2GBで合計は実に5GB以上もある。ライバルのカーナビアプリと比較しても飛び抜けて大容量だ。いかに詳細な地図データであるかがうかがい知れる反面、このデータをダウンロードするにはかなり大変。Wi-Fiでのダウンロードが推奨されており、トラブル無くスムーズにできた場合でも3時間程度かかる。3GやLTEでのダウンロードも可能だが現実的にはトラブルが発生する可能性が高く、無理だと思っておいたほうがいいだろう。

これだけ大容量のデータを保存するのは当然MicroSDカードにするべきだが、そこは気が利いていて、本アプリはMicroSDカードの有無を自動的に判別し、MicroSDカードがあれば自動的にそちらに保存する。旧バージョンではスマートフォン本体にしかダウンロードできなかったため容量不足による非サポート機種があったが、それも解消された。

◆5ルート同時検索で思い通りのルートを設定でき、地図の細やかさは感動モノと言えるレベル

実際に使いながら各機能をチェックしていこう。まず起動して現在地の地図を表示。ここで驚くことが2つある。1つは、地図がきわめて高精細で美しいということ。使用するスマートフォンの仕様にもよるが、さほどスケールを上げなくても細い裏道まで描画する精緻な作り込みは、やはりゼンリンだ。もう1つは、このアプリがランドスケープ(横位置)専用だということ。ナビアプリとしては非常に珍しい仕様だといえる。なお、旧バージョンでは対応していなかったドラッグによるスクロール、ピンチアウト・ピンチインに新たに対応し、自然な操作感で使えるようになった。

目的地の検索は地図画面の「目的地」ボタンをタップしてメニューを表示させる。カーナビ専用機によくあるような大きなボタンの並んだメニュー画面で、内容は「50音順」(名称検索)、「住所」、「電話番号」、「施設/ジャンル」など一般的なもの。周辺検索もこのメニューの中に入っている。UIはよくできていて使いやすく、電話番号による検索ではスマートフォンの住所録を参照することもできる。

少し意外だったのは「50音順」での文字入力のUIだ。スマートフォン標準のキーボードは使用せず独自のものとなっているが、その方式はかつてのケータイで主流だった方式。「う」なら「あ」キーを3回タップする、トグル打ちなどと呼ばれている方式だ。スマートフォンでは愛用者の多いフリック入力には対応しておらず、フルキーボードへの切り替えもできない。

目的地の検索ができたら次はルート検索だが、これは素晴らしい。ルート検索をするとその全体図が表示され、その画面に距離、到着予想時間、それに高速道路料金も表示される。ここで「5ルート」ボタンをタップすれば「推奨」、「一般」、「道幅」、「距離」、「別ルート」の5本のルートが表示され、好きなルートを選ぶことができる。しかも、それぞれのルートの距離、到着時間、高速道路料金も瞬時に表示されるため、ルートの比較がやりやすい。

都市高速網が整備されてきた現在では、比較的に近い場所へ行く場合でも、高速を使うか一般道で済ませるか迷うことがよくある。5ルート同時検索はこれからのカーナビの必須機能になりそうだ。さらに、経由地を加えて複雑なルートを作成するルート編集機能も搭載されている。ルートに関しては非常によく作りこまれているといえるだろう。

《山田正昭》

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