スーパーフォーミュラ韓国戦中止…壁にあたったアジア進出、代替開催の選択肢は

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今年3月のシリーズ全体発表会のドライバーとチーム首脳の集合撮影。
  • 今年3月のシリーズ全体発表会のドライバーとチーム首脳の集合撮影。
  • 韓国インジェの新サーキット、その案内パンフレットより。
  • スーパーフォーミュラ今季第3戦富士のレースシーン。写真:TOYOTA
  • 今年3月、日韓両国の関係者が集い、SFインジェ戦の開催に正式調印した。
  • 3月の富士テストには、インジェ戦スポット出場を目指す韓国人選手2名も特別参加していた。
  • インジェ戦スポット出場を目指していた韓国出身ドライバー、チェ・ヘミン(左)とキム・ドンウンのチャレンジも一旦、棚上げか。
  • もてぎでのSF開催は今年、年間1回に減っている(写真は2012年8月のレース)。写真:Honda
  • 7月10~11日に富士でシェイクダウンされた、来季ニューマシン「SF14」。
全日本選手権スーパーフォーミュラのシリーズ運営団体「JRP」(日本レースプロモーション)は7月24日、今季第5戦の韓国インジェ戦の中止を発表。今季からのアジア進出路線本格展開を企図していたシリーズにとって、手痛い躓きとなった。

韓国戦中止に至った最大要因は、インジェ現地サイドのハード、ソフト両面における準備不足と体制混乱にあったようだ。今年5月には実質的なコケラ落としとして、日本のスーパー耐久シリーズの第2戦が開催されたものの、それを取材した面々は当時、異口同音に「このままではスーパーフォーミュラ(SF)の開催は無理」との印象を語っていた。結果的には、その後2か月弱を経ても十分な進歩が果たせなかった、と考えざるを得ない。SF開催に必要なFIAのコースライセンス「グレード2」取得のための査察も遅れに遅れ、しかも結局は認可されなかった、との観測もある(詳細不明)。

アジア最高峰レースへの発展を目指して、今季、フォーミュラ・ニッポンからスーパーフォーミュラへとシリーズ名を一新し、来季には5年ぶりに新シャシー&新エンジンを導入するなど、様々な意味で拡充戦略を採ってきたJRP。なかでも重視していたのがアジア進出だが、今春、3年契約を締結したインジェでの開催がいきなり頓挫したことは痛手だ。

実はフォーミュラ・ニッポン時代の2011年に「シンガポールの新コースで2012年の開催を計画」との話が発表されたものの、これが2013年以降に延期になり、やがて自然消滅した経緯もある。次もまたこういう結果になった場合のダメージを考えると、来季のインジェ開催を含め、今後は相当に慎重かつ確実な計画が要求されるわけで、それがアジア進出にブレーキをかけることも充分に考えられるだろう。

スーパーGTも今年5月にF1韓国GP開催地である韓国国際サーキットでのエキシビション大会開催を予定していたが、これも現在、無期延期中。また、韓国も含めてアジア地域ではF1開催国が増えているものの、その多くが観客不入りを指摘されるなど、なかなかこのスポーツが文化として定着しにくい土壌であることも露呈してきている。日本国内での若者のクルマ離れ等が懸念されるなか、アジア地域に次なる活路を求めようとしている日本レース界だが、状況はなかなかに厳しいようだ。

JRPは「今後の海外展開と今回中止になったレースの(国内での)代替開催については検討する」との旨を声明に記しているが、代替開催の選択肢はそれほど多くない。今季の国内トップシリーズ及び、F1、WECなどの日本ラウンドは後半集中型。日程的に空いている週末でも、前後の週の開催シリーズや開催サーキットとの絡み、国際シリーズ並行参戦選手の都合等を考えると、現実的な選択肢は絞られてくるのだ。

本来なら、インジェ開催のために今季は年間1開催に減っているツインリンクもてぎでのラウンドが望まれるが、同地では8月3~4日に第4戦を実施予定。日程バランスやその他の要素を勘案すると、9月14~15日なら2戦目開催の可能性がないとはいえない気もするが…。もともとインジェ戦があった8月24~25日には、JRPが運営するFCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン)の開催が富士である。富士チャンピオンレースやインタープロトとの併催週だが、こちらの方がSF実施の現実味は上か。強引なところでは、8月31日~9月1日にスーパー耐久との併催で5年ぶりのSF岡山国際サーキット戦復活、というのも不可能ではないかもしれない。だが、WEC出場選手はこの日程は出られなく…(いずれも推測)

かつては年間10戦が定着していただけに、今季シリーズ戦が6戦になるという事態は避けたいSF。それにシーズン途中いきなりの1戦減はチャンピオン争いにも影響してしまう。海外展開の今後も重要だが、まずは代替レース開催に関しての動きが注目されるところだ。
《遠藤俊幸》

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