『アテンザ』は、早くからヨーロッパを見据えた戦略である。マツダブランドを印象づけるフロントマスクの統一。そして、色気をほどよく出しているデザイン。
もうひとつ。アテンザは、セダン&ワゴンともに、トランクスペースが広い。これもヨーロッパ・スタンダードな戦略である。大人四人+人数分×1か月の荷物。ヨーロッパ的夏季休暇は、これでないと使い物にならない。今回も、トランクリッドをあけて、ため息がでるくらいの広さだ。お見事である。
そしてさらに、ついにのディーゼル展開である。このトルクの出方。燃費のよさ。そして、給油のたびに思う「なんて安いの!」という感激の安心感。ケチのつけどころがないが、悔しいので、あえてケチをつけよう。
うるさい。
その他ディーゼルや、以前に比べればとか、いろいろ言い訳はあるのだろうが、やはりディーゼルならではのガラガラ音は否めない。高速を走っていればさほどでもないが、問題は街中。低速で走っていると、ああ、ディーゼルなのね、と。
アラフィー女子は友達を隣に乗せていると、先進技術をいち早く乗っている優越感と、それでもうるさいガラガラ音の肩身の狭さに、どういう表情をしていいのかわからなくなる。
信号待ちにおいては、アイドリングストップがあるのでしのげるが、女性の街乗り、低速で走ることが多いわけで。そこへ行くと、やっぱりディーゼル音全開は、ちょっとねえ…なのである。ちなみにアテンザのなかで私のイチオシは、2リッターガソリンだ。ハンドリングが自然で、とってもスムーズ。ディーゼルに食いつく前に、一度試乗を、と伝えたい。ディーラーマンのようなセリフを言わざるを得ない。でも、本当なので仕方ない。
5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省 安全基準検討会検討員他、委員を兼任。