『アテンザ』ワゴンの上級グレード「XD L Package」試乗した。セダン同様に年初のプレス試乗会に供された個体だが、より活き活きとした走りっぷりを実感した。
とくに走る、曲がる、止まるの操作を実行している際にクルマとの一体感が強く感じられるのを再認識。同じ『アテンザ』名義ながら、ラグジュアリーでもあるセダンに対し、気持ちよいスポーティ感が際立つ。ワゴンボディながら剛性感も申し分ない。試乗車の19インチタイヤ(225/45 R19 92W=BS TURANZA T001)も足まわりの剛性感に一役かったうえで、ごく心地いい乗り味も実現している。
ホイールベースがセダンより80mmも短いが、ワゴンのシルエットのおかげで後席の頭上も余裕は十分。シートもゆったりとした着座感だ。ステアリングのロックtoロックはセダンと同様なようだが、最小回転半径はスペック上セダンより0.1m短く、前述のホイールベースと全長も60mmセダンより短いこととあわせて、取り回し時の運転者の感覚とクルマの動きの誤差は、このワゴンのほうが断然、小さい。
キャビン構造の違いか、室内に届くディーゼルエンジンの音は、セダンより僅かに大きめ。しかし『CX-5』より明らかに上質な音を鳴らすBOSEのオーディオに耳を預けながらのドライブは快適だ。煽られ感のないフラットな乗り味、2.2リットルディーゼルターボ(175ps/42.8kg-m)+内製6速ATのパフォーマンスは、どんな場面でも十二分に役割を果たしてくれる。アイドルストップ後の再始動のタイミングは、あと僅かだけ詰められるとなおいいのでは…と感じる程度。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。