【スバル XVハイブリッドプロトタイプ 試乗】トヨタとは違う思想、オリジナリティあふれるHV…諸星陽一

試乗記 国産車
スバル・XV ハイブリッド プロトタイプ
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スバルが開発中の『XVハイブリッド』のプロトタイプに乗る機会が与えられた。ナンバーを取得する前の段階ということで、試乗フィールドはクローズドコースの富士スピードウェイの外周路とショートサーキットとなった。

XVハイブリッドのパワーユニットは150馬力の2リットルエンジンに13.6馬力のモーターを組み合わせたもの。トヨタとの関係もあり、スバルがハイブリッド車を開発したとなると多くの人が『プリウス』的なハイブリッドを想像するだろうが、それはまったく違う。

プリウスがとにかく燃費指向でハイブリッドシステムを作動させるのに対し、XVのそれはモーターがエンジンをアシストし、力強さを増大するという考え方で、どちらかというとホンダ的ハイブリッドの手法に似ている。エンジンが完全に止まったEV走行も可能だが、とくにスイッチなどがあるわけではなく、条件が揃うとEV走行となるという方式だ。

XVハイブリッドは「スバルらしさ」にとことんこだわって作り上げられている。その最大のこだわりが4WDシステムのままハイブリッド化したこと。燃費にこだわるなら重量も抵抗も不利な4WDはやめるべきだが、それをやめたらスバルじゃないという意気込みがあった。

今回の試乗では4WDらしさというものを感じるシチュエーションはなかったが、冬場になれば日常的に雪道を走る必要のある人達にとっては、ハイブリッドも4WDであってほしいはずであることは間違いない。

さてXVハイブリッドだが、じつによく走るし、余計な神経を使わずに乗れるクルマに仕上がっている。余計な神経というのは燃費に執着するということ。素直にクルマを走らせるということを楽しめるクルマとなっている。

外周路での運転は一般路での走りに通じる部分。ここでの印象はとにかく乗りやすいというもの。車重が増えたことにより、ダンパーやバネなどが強化されているが、硬いという印象ではなく落ち着き感が増したという印象のほうが強い。乗り心地は十分に快適で、走行時のノイズも気になるようなものはない。

ショートサーキットに舞台を移すと、これまた楽しさが倍増。じつはハイブリッドはノーマルのXVに比べてステアリングのギヤ比がクイックになっている。つまり走らせたときの動きも俊敏というわけだ。残念なのが履いているタイヤがエコタイヤで、クルマの性能を出し切れていないこと。どうせなら、もう少しグリップのいいタイヤにしたほうがクルマのキャラクター的にはあっているはずだ。

今回の試乗はプロトタイプということで、価格が発表されていないため、オススメ度については保留とさせてもらう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:-----

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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