JR東日本、復旧の可否は「総合的に検討」…2011年の水害で一部不通の只見線

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只見線の第5只見川橋りょう(193.3m)。2011年7月の豪雨で橋桁が約25m流失した。
  • 只見線の第5只見川橋りょう(193.3m)。2011年7月の豪雨で橋桁が約25m流失した。
  • 路盤が流失し線路が宙づり状態となった只見線。不通区間の復旧には約85億円の工事費用と4年以上の工期が必要という。

JR東日本は5月22日、2011年の水害により一部区間の不通が続いている只見線の復旧費用などを発表した。

只見線は、磐越西線会津若松駅(福島県会津若松市)から上越線小出駅(新潟県魚沼市)までの135.2kmを結ぶローカル線。2011年7月の新潟・福島豪雨により不通となったが、その後順次運転を再開し、現在は福島県側の会津若松~会津川口間60.8kmと新潟県側の只見~小出間46.8kmで列車を運転している。

残る会津川口~只見間27.6kmは第5~7只見川橋りょうの橋桁が流失したほか、第8只見川橋りょう付近でも路盤沈下や土砂流入が発生するなど甚大な被害を受けており、復旧のめどがたっていない。現在は代行バスによる輸送が続いている。

JR東日本の試算によると、運転を再開する場合の工事費は約85億円で、工期は4年以上に及ぶ。一方、1日1kmあたりの輸送人員(輸送密度)は、同社の鉄道路線のなかでは2番目に小さい370人(2010年度)。不通区間に限ると49人で、2009年度は3億2900万円の赤字だったという。2012年3月に廃止の方針が発表された岩泉線(2010年7月から運休中)の輸送密度は2009年度で46人だった。

JR東日本は復旧の可否について「総合的に検討を進め」るとしており、公的支援が受けられない場合の運転再開は困難とみられる。

《草町義和》

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