PCCJ(ポルシェ カレラカップ ジャパン)第2戦は4月7日(日)、前日に引き続き岡山国際サーキットがその舞台。前日の悪天候とは打って変わり、決勝レーススタートとなる午前10時30分前には、コースはほぼドライ路面となっていた。
もちろん、全車ドライタイヤを装着してコースイン。併催がスーパーGT開幕戦ということもあり、多くの観客が見守る中全16台がいっせいにスタートを切った。好スタートを決めたのは、3番グリッドのゼッケン12番小河諒。2番手のゼッケン78番近藤翼をパスし、ポールポジションのゼッケン14番川端伸太朗に続いて1コーナーに飛び込んでいく。
一方、その後方では複数のアクシデントが発生していた。これにより、ゼッケン7番星野敏、ゼッケン33番Tetsuo OGINOがマシンを止めることとなり、6番手スタートのゼッケン19番永井宏明と8番手スタートのゼッケン32番飯田太陽も大きく出遅れることになる。また、ゼッケン21番高田匠とゼッケン8番櫻井澄夫もコースアウトしたものの、すぐに戦列復帰を果たした。
序盤のアクシデントを尻目に、快走を続けるのは、川端、小河、近藤の若手ルーキーたち。三者は競り合いながら、4番手以下を徐々に引き離して行く。
4番手につけていたゼッケン10番川口正敬だったが、マシンの挙動に問題が出てしまい、スロー走行の後リタイア。後方の飯田もリタイアを決め、序盤のアクシデントと合わせて16台中5台が早々と戦列を去る波乱のレース展開となった。
トップを争う3台はそれぞれ0.5秒程度の差で接戦を演じていたが、2番手につけていた小河がトップ川端の隙をつき、7周目終了時点で首位に躍り出る。続く近藤も川端に迫るが、焦りからかスピンを喫してしまい万事休す。フロントにもダメージを受けてしまい、11周目、ピットレーン出口にマシンを止めた。
これで上位は小河、川端に続いて、ゼッケン25番神取彦一郎というオーダーに。だが、川端と神取のギャップは25秒と大きく開いているため、川端にとっては後方からのプレッシャーはないようだ。
その間、後方でも熾烈なバトルが繰り広げられていた。序盤に出遅れた高田だったが、第1戦同様に次々と順位をジャンプアップ。クラストップを走っていた総合4番手のゼッケン2番田島剛をもパスしてしまう。
また、7番手前後の中団ではゼッケン27番眞野壮一郎、ゼッケン3番江本玄、ゼッケン24番田中徹、ゼッケン23番藤田宗の4台が数周にわたって接近戦を展開。この息をもつかせぬバトルから抜け出したのは江本だった。ダブルヘアピンのふたつ目で眞野のミスを突きオーバーテイク。ジェントルマンクラス3番手に順位を上げることに成功する。
結局、チャンピオンクラスでは大きな順位変動なく、小河、川端、神取というトップ3でフィニッシュ。ジェントルマンクラスは、田島が最終ラップで高田を再逆転するというドラマチックな展開でクラス優勝を飾った。
また、クラス3位は1年半ぶりの表彰台となった江本が獲得。序盤にアクシデントはあったものの、ワンメイクレースならではの接近戦が各所で見られた第2戦となった。
初優勝を果たした小河は、ホームストレート上にマシンを止めると大きくガッツポーズ。「最高です。天候もよく、タイヤのマネジメントにも自信がありました。降り出した雨にも落ち着いて対応できました。この岡山でメカニックの人たちとの信頼関係をガッチリ築くことができたので、セッティングもバッチリ決まりました。“ポルシェを触らせたらウチのディーラーメカニックは日本一だ”と言えますね(笑)。富士でもいいセットが見つかっているので、守りに入らず攻めの姿勢でいきたいと思います」と笑顔を弾けさせた。
ジェントルマンクラス優勝の田島は、「序盤のアクシデントは冷静にかわすことができました。あとはマイペースで自分のベストを尽くそうと。第1戦では少し悩んでしまいましたが、今日については不安はありませんでしたね。最後の逆転はもちろん狙っていました」と会心の笑みを見せた。
次戦、第3戦は4月28日(日)~29日(月・祝)に富士スピードウェイ(静岡県)で開催。こちらも岡山大会同様スーパーGTとの併催だ。また、ゴールデンウイーク前半ということもあり、関東近県から多くのレースファンが集まることが予想される。
PCCJではすでにシーズン前のテストを富士スピードウェイでおこなっており、ここを得意としているカレラカップパイロットは、さらにセッティングを煮詰めてくることが考えられる。国内随一の高速サーキットで繰り広げられる接戦に期待したい。