個性を主張するシトロエンのDSライン。その中核に位置づけられる『DS4』は、手頃なボディサイズ、実用性を備えた、選びやすいモデルだ。
その『DS4』で待たれていたのが、コンベンショナルな6速AT車。『Sport Chic』の気持ちのいい走りが魅力なのは間違いないが、日本仕様のいわば標準車『Chic』には、これまでクラッチペダルレスの6速エレクトロギヤボックスのみの設定だった。健気ではあるがロボットの変速は好みが分かれるところで、トルコンATの追加はやはり気になるところ。
実際の走りは、予想以上の活発さを見せる。新搭載の6速ATは変速が機敏でトルコン式がベースながら、加減速の最中の“直結感”がかなりある。さらに1.6リットルエンジン自体も、6速MT車のエンジンよりさらにパワーを発揮してくれ(スペックも6ps高められている)、イージーにまさに意のままの走りが楽しめる……そんな仕上がりぶりだ。
17インチタイヤを装着する足回りはどうか?というと、エンジン性能に見合ったスポーティな感覚。欲を言えば、ごく低速でのゴツつき感がなくなり、イナすタッチが増せば「これぞコイルバネのシトロエンの乗り味!」と嬉しさが増すようにも思う。
個性的な内外観デザインは、そこここのディテールに発見があり、相変わらず乗る者の気持ちを退屈させない。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★