積水化成品、新開発の融雪パネルが東北新幹線・新青森駅などに採用

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積水化成品工業、PTCセラミックスヒーターの技術を活かした融雪パネル
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積水化成品工業は、PTCセラミックスヒーターの技術を活かした融雪パネルを開発し、東北新幹線の延伸施設「新青森駅」「七戸十和田駅」などの駅、車庫の屋根軒先に採用されたと発表した。

同社が開発した製品は、自己電力量を調整するPTCセラミックスヒーターで、各部の温度ムラを少なくし、必要に応じた出力調整ができる。今回、駅屋根での使用で、施工性とメンテナンス性を考慮して、ヒーターの構造をパネル化することで、屋根や樋に後付け設置が可能となった。

PTCセラミックスヒーターを内蔵した「すのこ型」のヒーターパネルで、構造体にはアルミを使用して熱伝導を確保し、パネル上部で融雪した融雪水が、再凍結しないように円滑にパネル下部へと流水する。樋部では、流れる水を止めないように排水経路を確保するとともに、ヒーターの下側へも熱伝導をさせ、融雪水を円滑に排水できるパネル構造とした。

同社は、東北新幹線延伸駅の融雪方法について、効果的な融雪システムが求められていたのに対応するため、2003年から鉄道運輸機構、鉄道総合技術研究所と共同での基礎試験を開始した。2005年からは試験場所を青森車両基地に移し、融雪パネルヒーターの構造や設置方法、熱量、融雪状態を、実地で検証してきた。

駅の屋根の樋を部分融雪することで、効率的に雪害を防止することを確認した。試験を通じて軒先の雪庇・氷柱の発生、それらの落下や落雪が発生しにくいことも確認した。試験を通じて構造を確立させ、東北新幹線・新青森駅、七戸十和田駅などの駅、車庫の屋根軒先に融雪パネルヒーターを設置した。

同社では、雪害、除雪対策に有効な融雪パネルヒーターを今後積極的に展開し、今後新設される鉄道駅舎を始め、その他一般施設への設置拡大を目指す。

《レスポンス編集部》

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