運輸安全委員会、787機のバッテリー「熱暴走していた」

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ボーイング・787 ANA仕様
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  • 発火した787の補助電源ユニット

運輸安全委員会は、1月16日に高松空港に緊急着陸したボーイング787-8型のバッテリーが「熱暴走」したとの見方を示した。

全日本空輸(ANA)が運航する692便の787型機は1月16日、高度約3万2000フィートで、バッテリーからの煙を感知して高松空港に緊急着陸し、重大インシデントに認定された。

このバッテリーは8つのセルを直列に接続したリチウムイオン二次電池で、機体にはメインバッテリーと補助バッテリーを搭載していた。

同委員会は宇宙航空研究開発機構(JAXA)に、この2つのバッテリーを持ち込んでCTスキャンを実施したほか、電池を製造したGSユアサ・コーポレーションでメインバッテリーのセルごとのCTスキャン・分解調査を実施した。また、バッテリー・モニタリング・ユニットメーカーやバッテリー充電器なども調査、今後、バッテリー・ダイオード・モジュールを製造したフランスのタレスも調査する予定。

これまでの調査で8個のセル全てが黒焦げとなって損傷しており、全てのセルに熱による損傷が見られる。特にセル3とセル6の損傷が大きく、セル3のプラス電極の損傷がひどい。セル4とセル5を除く、6つのセルのプラス電極内部が溶断していた。

これらの調査結果から、温度上昇が止まらなくなる「熱暴走」が起きたとの見方を示した。

同委員会は今後、セルの損傷状況を更に詳しく調べるとともに、飛行記録装置などのデータ解析・バッテリー充電器なども調べる。

《レスポンス編集部》

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