【富士スプリントカップ12】決勝初日を終えてGT300はポルシェ優位、GT500は混沌

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左からGT300第1レース優勝の藤井誠暢、GT500第1レース優勝のクインタレッリ、Fニッポン予選1位の塚越広大、Fニッポン予選で最高速賞を獲得した中嶋一貴。
  • 左からGT300第1レース優勝の藤井誠暢、GT500第1レース優勝のクインタレッリ、Fニッポン予選1位の塚越広大、Fニッポン予選で最高速賞を獲得した中嶋一貴。
  • GT500決勝第1レースは豪雨のためにセーフティカー先導となり、赤旗終了に。
  • 富士スプリントカップならではの光景。同じピットガレージにGTマシンとFニッポンマシンが同居する。
  • JAF GPのGT500決勝第1レースを勝った、MOLAチームのGT-R。タイヤはミシュラン(写真はシリーズ戦)。
  • 往年の名手が集って競うレジェンドカップ、参戦選手たちの記念撮影は、和気あいあいの雰囲気。
  • JAF GPのGT300決勝第1レースを勝った、ハンコック・ポルシェ(写真はシリーズ戦)。
  • Fニッポンのポールは塚越(左)。中嶋一貴は最高速賞をゲット。
  • ピットでタイヤ交換してからグリッドに向かうEPSON HSV-010。

日本レース界のシーズンエンドを飾る特別戦“JAF GP SUPER GT & Formula NIPPON 富士スプリントカップ”は17日、SUPER GTの決勝初日を迎え、GT500はGT-Rのロニー・クインタレッリが、GT300はポルシェの藤井誠暢が、それぞれ先勝を果たした。

今年で3回目の開催となった、日本を代表する2大トップカテゴリーの競演。この日の富士スピードウェイ(静岡県)は雨模様となったが、モータースポーツファンが数多く詰めかけ、シリーズチャンピオンとは別のビッグタイトル“JAF GP”争奪の真剣勝負かつシーズン掉尾のお祭りイベントでもある今大会に熱い視線を注いだ(JAF GPはGT500/GT300/Fニッポンの個別3部門に授与される)。

JAF GPにおけるSUPER GT決勝レースは通常のシリーズ戦と違って「GT500とGT300のクラス別の実施」になり、しかも「ペアを組むドライバーが第1レース(17日)と第2レース(18日)に別れて戦う」。そして「ピットイン無用の22周、約100km短距離戦」を「スタンディングスタート」で開戦する。

GT300の決勝第1レースは、前日の予選でポールポジションを獲得していた藤井(#33 HANKOOK PORSCHE)が雨中の逃げ切りを完遂させて優勝。「ドライに関しては昨日からマシン、タイヤに手応えがありましたが、ウエットは最近のシリーズ戦で苦戦傾向だったので、正直、自信はありませんでした」と言う藤井だが、「ハンコックのレインタイヤもとても良く、優勝できました」。今季はシリーズ戦で2勝しているが、「ある意味、一番嬉しい優勝ですね」と喜びを語る。JAF GPタイトルの行方は第2レースとの合計ポイントで決まるが、明日も藤井の同僚・影山正美がポールスタート。#33 ポルシェは俄然優位な立場となった。

2位はハイブリッドマシンの#16 MUGEN CR-Z GTを駆った中嶋大祐(悟の次男、一貴の弟)。3位には最終ラップの最終コーナーで千代勝正の#3 S Road NDDP GT-Rをパスした#43 ARTA Garaiyaの松浦孝亮が入った(千代は4位)。

GT500の決勝第1レースは、途中からコンディションが“スーパーヘビーレイン”となったため、9周目走行時にセーフティカーが導入され、12周目走行中に赤旗呈示でレース中断、そのまま打ち切りとなった。規定によりレースは10周終了時点の順位で決着し、クインタレッリ(#1 S Road REITO MOLA GT-R)が優勝。ドライの予選で苦戦して9番手発進だったクインタレッリだが、レインタイヤの選択がうまくいったようで、「スタートで何台か抜いて、ミスなく走れた」と話した。

昨年、今年とシリーズ戦を制し、昨年のJAF GPも制している#1 GT-Rが2年連続“全冠制覇”に一歩前進、と言いたいところだが、レース距離の75%を消化せずに打ち切り終了となった関係上、第1レースの得点は半分になってしまう(優勝は20点の半分で10点)。僚友・柳田真孝の第2レースのスタート位置も7番手なので、楽観は許されない状況だ。

第2レースのポール発進はレクサスの中嶋一貴(#36 PETRONAS TOM’S SC430)だが、こちらはパートナーのロイック・デュバルが第1レース無得点。第1レースの結果と第2レースのグリッドを照らし合わせてみても、GT500はJAF GP奪取に向けてどこが有利か予想の難しい状況となった。なお第1レースの2位は、セーフティカーが出るか出ないかの段階ではトップだったものの、スピンで順位を落としたホンダの塚越広大(#17 KEIHIN HSV-010)。3位はポール発進だった大嶋和也(#6 ENEOS SUSTINA SC430)。

Fニッポンは決勝が翌18日の一発勝負で、この日は各車単独1周アタックの予選が実施された。ポールポジションを獲得したのは今季シリーズ戦で惜しくもランク2位に終わった塚越(#41 DOCOMOダンディライアン・ホンダ)。対照的に今季シリーズチャンピオンの一貴(#2 PETRONASトムス・トヨタ)はコースオフを喫してノータイム、18台中17位扱いという結果に終わっている。2位はアンドレ・ロッテラー(#1 トムス)、3位は国本雄資(#39 Project μ セルモインギング・トヨタ)。Fニッポン参戦3大会目の佐藤琢磨(#15 チーム無限・ホンダ)が6位につけた。

また、往年の名レーサーが競うレジェンドカップは、今年のワンメイクマシンがトヨタ86ということもあって一層の注目を集めていたが、天候の影響で予選が18日の朝に延期。予選〜決勝を1デイでこなすことに。

明日18日は大会最終日。天候は好転する見込みで、Fニッポンの決勝、そしてSUPER GT各クラスの決勝第2レースが実施され、各部門のJAF GP獲得者が決まる。

《遠藤俊幸》

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