【トヨタ タイ進出50周年】ものづくりにかける情熱と強靱な現場力…タイトヨタ棚田京一社長

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トヨタ自動車のタイの現地法人であるトヨタ・モーター・タイランド(タイトヨタ)の棚田京一社長は、トヨタがタイに本格進出して50周年を迎えたのを機に、同社のバンコクオフィスで、約1時間にわたり記者団との懇談に応じた。

棚田社長は「昨年、タイの国は大洪水に見舞われるなどこの50年の間、いろいろな出来事が起こったが、中でも最も辛かったのは1997年のアジア金融危機がの時にトヨタはゲートウェイの新工場を建設したばかりで、撤退するにも身動きがとれず、危機的状況が続いた」と述べ、「それでもタイの可能性を信じ、その後はタイの自動車産業の育成のためにも投資の拡大を続けてきた」と振り返った。

また、「ものづくりにかける情熱と強靱な現場力ではタイは日本の鏡。山田長政以来、125年の歴史があり、タイ人が一番旅行を希望するのは日本で友好の絆も深い。今後もビジネスの面でも両国の補完関係は一段と増す」と指摘した。

トヨタは世界27カ国・地域で現地生産し、160カ国以上で販売しているが、棚田社長は「トヨタにとって生産・販売ともに4割近いシェアを占めるタイは隣国のインドネシアとともに最重要拠点」と強調。

タイの自動車生産台数については「昨年の総生産は震災や大洪水の影響で伸び悩んだが、今年は230万台に達する見通しで、このうちトヨタは88万台を計画している」と述べ、11月末には政府が200万台達成を祝うイベントを開催することを明らかにした。

だが、現在タイの生産は世界で13位程度。棚田社長は「タイ政府はそれだけでは満足せず、2015年をターゲットに、世界のベスト10入りを目指しており、それには260万台から300万台は必要で、トヨタもそれに応じるように少なくても100万台を超える増産体制を整えたい」と語った。

一方で、インドネシアに次いでタイは生産・販売とも日本車が9割以上のシェアを占める独壇場。欧米や韓国勢の巻き返しについて「この国は完成車で勝負するには向かない市場であり、生産拠点を持たない欧米や韓国車は攻めにくい。今のところまったく心配していない」と語った。

最近の投資の動きとしては、いすゞや日産、三菱、スズキなどの日系のライバルが相次いでタイでの生産能力を拡張を発表しているが、棚田社長は「ある意味で脅威だが、もう少し広い視野でみれば、同じに日本車。これで欧米や韓国勢が躊躇して入り込むのが難しくなる」と、リーデングカンパニーの立場からもオールジャパンで守り抜く姿勢を改めて示した。

《福田俊之》

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