11代目となったトヨタ『カローラ』は“乗り味”にこだわって設計されたのは既報の通りだ。その“乗り味”には、ボディ剛性以外にもステアリングフィールなど様々なものが含まれている
カローラは新型車の例に漏れず、電動パワーステアリングを採用しているが、これを制御しているのがECUだ。「このコンピューター(ECU)で、例えば、ステアリングをどれだけ切ったら、どれだけ自然にアシストするか、更に、路面のインフォメーションがつかみやすいように設定しています」とは、トヨタテクニカルディベロップメント第2車両性能開発部車両運動性能開発室の尾崎正樹さんの弁。「トヨタの歴史の中で、ブラッシュアップして積み重ねてきた経験と時間から、今回はうまく出来たと思います」と話す。
特にこの中の経験が一番ものをいったという。「今回、我々と一緒に仕事をした現場の人(テストドライバー)が、主にリーダーシップを執って完成させてくれたのです。その人の能力が大きかった」と述べる。「30年程操安性をテストして来た人がやったので、非常に助かりました」。
また尾崎さんは、「(これらのことを)感応評価という言葉で表しますが、そこには経験や、ノウハウなどが必要だと思うのです。やはり人間が感じる能力はものすごく高くて、いくらある試験をして、ある特性値を定量値で語ったとしても、最後の最後はやはり人間、ドライバーの感じるところなのです」といい、「逆に人間しか感じられないところもあると思います。そういう想いを入れてまとめました」と語った。