スバル『レガシィ』がマイナーチェンジを受け、新しいエンジンが搭載された。2.5GTに搭載される2.5リットルのターボユニットに加えて、新たに設定された2.0GT DITには直噴化された2リットルの新開発エンジンが組み合わされ、最高出力は2.5GTを凌ぐ300馬力を発揮する。基本的なフィールはマイチェン前と同じで、有り余るパワーを上手に4輪に振り分けて、上質な走りを実現するというもの。ただし、全体的にトルクが上がっているので、より洗練されている印象だ。組み合わされるミッションは、強化されたリニアトロニック(CVT)。エンジンとミッションのマッチングはよく、アクセルペダルを踏むとシュルシュルッと加速。ノイズも振動もほとんど感じない。100km/hまではあっという間。適正な速度を維持するためにはスピードメーターへの注意が必要だ。このCVTには仕掛けがある。走行モードをもっともスポーティなS#(スポーツ・シャープ)にすると、マニュアルミッションのように段付きのある変速を行うようになっている。またS#モードでミッションをマニュアル操作にすると、分割されたギヤ比が固定されるので、さらにマニュアルチックなフィーリングになる。この考えはおもしろいが、果たして350万円近い価格のクルマでやることだろうか? これではCVTのいいところをあえて否定しているようなもの。せっかくいいCVTなのだから、胸を張って「CVTはこういう特性です。それが魅力なのです」と言ってほしい。私はそもそもCVTのマニュアルモード自体に疑問をもっている。乗り心地はフラット感のあるもので、ダンピングもしっかりと効いて、ビシッと路面をつかんで走る印象。コーナリングも安定感があり、コーナリング中のラインの変更や、アクセルのオン、オフによる挙動変化もよく抑えられている。全体としては大人のクルマとして、上品なフィーリングを持っているのだが、前述のCVTのセッティングなどが残念に感じる。市場の要望よりも、開発者の意地を見せたほうが最終的にはファンの支持は厚くなると思うのだが…。5つ星評価パッケージング:★★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★諸星陽一|モータージャーナリスト自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍。趣味は料理。
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