【ふそう キャンター エコHV 発表】12.8km/リットルを実現したDCTのメカニズム

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三菱ふそう・キャンターエコ ハイブリッド
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トヨタ『プリウス』に代表されるハイブリッドカーの燃費数値が良くなる仕組みはこうだ。

モーターの力でエンジンをアシスト、もしくは停止(『キャンターエコ ハイブリッド』はモーター単体駆動時でもエンジンは停止しない)させ燃料を節約するとともに、制動時には運動エネルギーを回生して電気エネルギーを生み出し、駆動時にそれをモーターを通じて活用するのである。

この法則は乗用車でもトラックでも同じ。違うのは、ボディ+積荷で5トンにもなる(2トン積車の場合)車両重量から回収できる回生量が乗用車に比べて圧倒的に多いこと。重いものを止めるにはそれに応じたエネルギーが必要だ。

御存知のとおりデュアルクラッチトランスミッション(以下、DCT)は、駆動ギヤの上下ギヤを“スタンバイ”させることでシームレスな変速を可能にしている。このDCT本来の持ち味によって、シフトアップ後に発生しやすい失速がなくなり、一段上のギヤへスムーズに加速力が引き継がれるため、結果的に燃料消費量の低減効果も望めるのだ。三菱ふそうが小型トラックにDCTを採用した最初の理由はここにある。

さらに、キャンター エコ ハイブリッドの場合、2/4/6速ギヤ段を受け持つアウタークラッチ側にモーター兼ジェネレーターが備わっている。つまり、インナークラッチ側が1/3/5速ギヤ段で走行中のときであっても、アクセルをちょっと緩めるだけで通常のDCTであれば“スタンバイ”しかしてないアウタークラッチ側ギヤに回生力を発生させることができるのだ。

《西村直人@NAC》

西村直人@NAC

クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。専門分野はパーソナルモビリティだが、広い視野をもつためにWRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席したほか、東京都交通局のバスモニター役も務めた。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会・東京二輪車安全運転推進委員会指導員。日本イラストレーション協会(JILLA)監事。

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