ミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)を批判する人々は、一度引退してから、再び実力を取り戻すことの難しさを理解していないし、彼が7度のドライバーズタイトル獲得の過程で残した不朽の業績を思い出すべきだとジェンソン・バトン(マクラーレン)は力説する。
3年間の安息を経て2010シーズンからF1に復帰したシューマッハだが、かつて91回のグランプリに優勝した頃のフォームは取り戻せていない。
歳若いチームメートのニコ・ロズベルグが中国GPの優勝一回を含めて59ポイントを集めたのに対し2ポイントしか残せていないシューマッハに批判が高まったちょうどそんな時期に、元チャンピオンは格式あるモナコの予選でトップタイムをたたき出して見せた。第5戦スペインでのペナルティが有効なため実際のスタートグリッドは6番手からとなった。
バトンのコメントを紹介しよう。
「ミハエルはカムバックして以来、2年間も批判のされ続けてきた。僕は、前半のキャリアとでも言うのかな、彼がかつて成し遂げたことへの敬意が欠けているのではないかと感じる。マシンやチームのメンバーと馴染むまでに時間がかかるのは普通のことなんだよ」
「でも(モナコでは)彼はひとつもミスを犯すことなく、予選を完璧なラップでまとめ上げた。マシンを降りたときの彼の幸せそうな表情が印象に残る一方で、5グリッドダウンのペナルティが本当に悔やまれたよね」