日立製作所は、米国のシルバースプリングネットワークスと、グローバル市場でのスマートグリッド事業拡大を目的に戦略的提携することで合意した。
世界的な電力需要の高まりや環境負荷を低減するための再生可能エネルギーの活用やEV(電気自動車)の市場拡大が見込まれる中、次世代電力網は、安定した電力の供給のため、発電量と電力の消費状況を的確に把握し、双方のバランスを取りながらフレキシブルに電力の流れを制御する必要がある。
このため、世界各国でスマートメーターの設置や、電力系統の安定化に向けて電力事業者側で需要家側の電力消費を制御するデマンドレスポンスの導入などが検討されている。両社は戦略的提携を結ぶことで、電力事業者から需要家までの一貫したソリューションをグローバルに提供していく。
今回の合意に基づいて両社は今後、グローバルでの拡大が見込まれるスマートグリッド市場で、日立が強みを持つ電力・情報インフラ分野と、シルバースプリングネットワークスが強みを持つ電力の需要家側ネットワーク分野に関する製品やソリューションの相互供給を行う。
また、今回の戦略的提携の一環として日立は、シルバースプリングネットワークスが発行する転換社債型新株予約権付社債を取得する。両社はスマートグリッド事業の新製品・ソリューションの研究開発も共同で推進する。
両社は、2011年春から米国ハワイ州マウイ島で日米共同で進められているハワイにおける日米共同世界最先端の離島型スマートグリッド実証事業で協業しているが、今回の提携により、協力関係をさらに強化する。