日本自動車工業会の志賀俊之会長は16日の定例記者会見で、15日から交渉が始まった今春闘について、「自動車産業は“6重苦”のなかで厳しい国際競争をしている。労務費、固定費のアップは一般論として慎重にならざるを得ない」と述べ、労組側をけん制した。
自動車メーカーの今春闘は、賃金改善(ベア)の要求は見送られ、年間一時金と定期昇給相当分の確保が焦点となっている。
志賀会長は一時金については「各社の業績に応じたところで決まるのだろう」とする一方、定期昇給については「年功的な昇給であり、時代になじまなくなってきている」との見解を示した。
昇給は「従業員の役割や成績評価で決めるべき」とし、「定昇など、ひと昔前の定義(に基づく決定)からは変わってきているのではないか」と述べた。