日本EVクラブ主催による「フランクフルトモーターショー・東京モーターショー2011 EV報告会」が21日、東京の日本科学未来館にて開催された。
このイベントは、日本EVクラブの代表である舘内瑞氏が、昨2011年に行われた欧州と日本のモーターショーの内容を併せて紹介することで、EVを巡る現状を解説しようというものだ。
舘内氏が講演を行うスタイルで、内容は前半と後半の2部構成。前半は、「電気自動車の基礎、なぜEVなのか?」を解説。後半で本題となる欧州と日本のモーターショーの内容を紹介するものであった。
前半は自動車をめぐる2つの問題の解説からスタート。問題のひとつは地球温暖化という環境問題で、もうひとつは石油の枯渇に関するエネルギー問題だ。技術や環境の問題だけでなく、政治的な理由なども交えて、「なぜ、これからの時代にEVが必要とされるのか」が説明された。
後半は2011年9月に行われた「フランクフルトモーターショー」に展示された欧州各メーカーのEV関係のクルマを説明する。
「VWをはじめ、アウディ、メルセデスベンツ、BMW、ルノーと、みなプレスカンファレンスの冒頭では、EVの話をしていました」と舘内氏。
さらにメルセデスベンツ『SLS AMG E-Cell』やアウディ『R8 e-tron』など、各ブランドのフラッグシップとなるスーパースポーツのEVバージョンが展示され、市販が間近いという事実に関して、「これはすごいこと。EVで行くというコンセンサスが社内で取れているからできたこと。たとえば想像してほしい。日産でいえば『GT-R』のEVモデルを東京モーターショーに展示して、しかも売ると言っているのと同じ。トヨタならレクサスの『LFA』をEVにするということ。これを見た人はどう感じるのか? かなりショッキングなはず」と説明した。
その上で、東京モーターショーから見える日本メーカーのEVの取り組みに関しては「ぜんぜん遅れている」と厳しく指摘した。