中国で製造された乗用車が、北米市場へ静かなる上陸を果たした。その第1号車は、ホンダ『フィット』だという。
これは20日、『ニューヨーク・タイムズ』が報じたもの。同メディアが「ホンダは12月から、カナダで販売する『フィット』を日本製から中国製に切り替えた」と伝えたのだ。同メディアによると、これが北米で販売される最初の中国生産車になるという。
今回のフィットの生産地切り替えは、いわゆる「超円高」を受けたもの。ホンダカナダのジェリー・チェンキン副社長は、「最近の円高は急激すぎる。ホンダだけでなく他の自動車メーカーにも深刻な問題だ」と同メディアの取材に答えた。
このフィット、中国の広州工場で組み立てられたモデル。ホンダは中国の工場から、主に欧州など世界27か国に車両を出荷している。ジェリー・チェンキン副社長は「中国製フィットの品質に問題はない。欧州では約5年前から中国製フィットを販売しており、品質上の問題は起きていない」と強調する。
一方、北米での中国製フィットの販売は、あくまでカナダ市場だけにとどまる見込み。米国ホンダのジョン・メンデル副社長は、同メディアのインタビューに、「中国製フィットを米国で販売する計画はない」と話したという。