ダイハツ工業が第42回東京モーターショーに出展した電気自動車『ピコ』の全幅は1mしかない。
その理由について、取締役専務執行役員の北川尚人さんは「普通の道を走った時に、追い越しをするクルマがいるでしょう。そのときに追い越しされやすくするために狭くしたのです」と語る。
しかし、小さくする代わりに、目立たなければと考え、コミュニケーションベルトを作った。「扉を開けて乗り降りをしているときは“乗降中”というサインが出ますし、後ろに接近してきて、近づきすぎてほしくないときは、“接近注意”と出すことが出来ます」。また、このモデルは自分で障害物を検知して自動ブレーキがかかる。「そのときは“車間注意”というウォーニングが出るのです」。
さらに特徴的なものとして、“ありがとうボタン”がある。「道を譲ってもらったり、人がどいてくれたときなどに、今でいうハザードランプの点滅のように“ありがとう”と音声とメッセージが流れるのです」。
このアイディアはどこから生まれたのだろうか。「10年前の東京モーターショーにトヨタとソニーが共同開発出品した『POD』というコンセプトカーがあり、これは感情を表現するモデルでした。あれのチーフエンジニアが私なのです。PODは、文字は出さなかったのですが、今回はお年寄りを含め、よりストレートにわかってもらえたらと文字を出すようにしたのです」とした。