■日産『リーフ』フル4シーターCセグメント・パッケージの持ち主ながら、“燃料タンク15リッターのガソリン車相当”の走行レンジに1台販売ごとに約80万円の補助金を消費では、まだまだ多くの人々に自信をもって推薦出来る満足な商品力の持ち主とは到底思えず。急速充電器を広範囲に設置してそれを“レンジ・エクステンダー”代わりに走り続けようという発想も、電力ピークを押し上げる策として看過できないもの。■トヨタ『プリウスα』3列シート車にスペース捻出のためのリチウムイオン電池を嫌々(?)奢った以外、見るべき技術ポイントは持たない『プリウス』用ハイブリッドシステム流用モデル。■ホンダ『フィットシャトル』『フィット』ベースの新バリエーションで、ホンダ車にこそ望みたい新たな技術的見どころは何もナシ。■マツダ『デミオSKYACTIV』“スカイアクティブ”技術が売りながら、同時にATも一新させた『アクセラ』ではなく、「エンジンのみ新」のこちらが“10ベスト”に残ったのが不可思議。■ダイハツ『ミライース』燃費向上に挑んだ様々な手法はすこぶる真摯で真っ当なものながら、「夢も希望もないルックス」のお陰で魅力は一気に急降下。■VW『パサート』“ビッグマイナーチェンジ”とも思える代わり映えながら、リアルワールドでの燃費の良さと各部の作り込みレベルの高さは驚愕もの。■メルセデスベンツ『Cクラス』乗ればなるほどの“良いクルマ度”には感服ながら、「大幅リファイン」レベルの今回の変更規模では、“イヤーカー”としての適性に難アリ。■BMW『1シリーズ』“びっくり目”の顔付きにはギョッとするものの、「ドライバーズ・シートこそ特等席」と納得の走りのテイストと実燃費の良さはさすがはBMWの最新モデル。■プジョー『508』静粛性の高さやフットワークのしなやかさ、各部の作り込みレベルなどが、「これならばアメリカ市場へのブランド再上陸もアリでは!?」とさえ思わせる高水準。先行する世界に冠たるプレミアム・ブランドの各作品に、一矢を報いる上質サルーン。■ボルボ『S60/V60』ちょっと大胆な個性的ルックスに、独創の安全システム“シティ・セーフティ”を標準採用。走りの質感も従来型より大幅向上で、「ボルボ新時代」を予感させる仕上がり。というわけで、「トップ車には10点。残り4車に15点を配分」というレギュレーションに則った当方の配点は…●まずは508に10点●“同格”と思えたパサートと1シリーズに3点ずつ●「それらよりは上」にしたかったS60/V60に4点●「“走り”は10点ながら、今日からでもエンジン車の代替足り得る、というイメージを強引に広めようとしたプロモーションのやり方は0点」なリーフに5点…という結果に。河村康彦|モータージャーナリスト1985年よりフリーランス活動を開始。自動車専門誌を中心に健筆を振るっているモータージャーナリスト。ワールド・カーオブザイヤー選考委員、インターナショナル・エンジンオブザイヤー選考委員。