日産は今年の東京モーターショーで、ワールドプレミアとなる『PIVO3(ピボスリー)』のほか、海外のモーターショーで発表済みの『ESFLOW(エスフロー)』と『タウンポッド』の2台のEV(電気自動車)コンセプトも日本で初公開する。
このうちタウンポッドは、日産『リーフ』のパワートレインを流用している。しかしエスフローについては、スポーツカーらしいこだわりをメカニズムでも提案していることが特筆される。商品企画本部先行商品企画室アシスタントマネージャーの潮崎達也氏は次のように解説した。
「モーターはリアミッドシップに2個搭載しています。2個としたのは、スポーツカーにふさわしい最高出力や最大トルクを確保するためもありますが、個々のモーターが左右を独立して駆動するので、コーナー時では外輪のモーターにより大きなトルクを掛け、トルクベクトリングの機能を発揮できる点も特徴になっています」
さらにESFLOWは、バッテリー容量もリーフの1.5倍となっている。その結果、満充電での航続距離は240kmをマークするが、バッテリーの重さによってスポーツカーらしい走りがスポイルされないように、独特の搭載方法を採用している。
「バッテリーはI(アイ)字型になっています。つまり前車軸後方、後車軸前方とセンタートンネルに内蔵しています。スポーツカーということで、重量物をなるべくホイールベース内に低く収めたいという気持ちが、この形状を生み出したのです。ちなみに前後重量配分は42:58と、リアミッドシップらしい数字になっています」
車両重量についての発表は現時点ではないが、ボディはアルミモノコックとすることで、大容量バッテリー搭載による重量増を最小限に抑えているという。