【新聞ウォッチ】全面否定された「日立と三菱重工の経営統合」

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年8月5日付

●日銀、追加緩和を決定、資産買い入れ基金、10兆円増額(読売・1面)

●NY株一時360ドル下げ(読売・2面)

●三菱重「経営統合」を警戒、日立との交渉、困難に(読売・8面)

●新車販売GM5年ぶり世界一、上半期453万台、トヨタ3位転落(読売・8面)

●車鋼板1.3万円上げ、トヨタ・新日鉄が合意(朝日・6面)

●新型デミオ受注目標の倍、月間1万3500台に(毎日・8面)

●7月国内プリウス2か月連続首位(産経・10面)

●オリエンタルランド赤字、TDL休園響く、4〜6月(東京・7面)

●車回復、鉄鋼に追い風、大手5社、下期粗鋼生産5%増、上期比(日経・11面)

●日産、販売2系列を一本化、ブランドイメージ向上(日経・11面)

ひとくちコメント

日経本紙の4日付朝刊で、日立製作所と三菱重工業が経営統合に向けた協議を進めているとのビッグニュースが流れたが、しかし、両社の公式コメントは全面否定だった。

日経報道について日立は「そのような事実はありません」と事実関係まで否定し、「きょう発表」という日経の記事に対しても「事実でない以上、発表も行わない」と先送りされた。一方の三菱重工のコメントは「当社が決定した事実もないし、合意する予定もない」と、強く否定したうえで、再度「報道に対しては抗議する」とのコメントまで追加した。

きょうの日経を除く各紙が名誉挽回とばかりに経営統合をめぐる1日の動きをドキュメントタッチで詳細に伝えている。読売は「三菱重『経営統合』を警戒、日立との交渉、困難に」との見出しで交渉の進展は厳しい状態と報道。朝日も「事業統合合意先送り、日立『経営を』、三菱重『事業を』、震災後の厳しさは共有」としている。「日立と三菱重にズレ」(毎日)、「日立、三菱重交渉は難航」(産経)、「『名門縁談』思惑にズレ」(東京)などと、この先、大型経営統合に進むかどうかは予断を許さない。

こうしたた中で、スクープ(?)報道した日経は早くも1面で「産業構造大きな転換期」と解説し、社説でも「『日立・三菱重』統合を産業再興の一歩に」とのタイトルで「今回の大型再編を機に、他の企業も競争力強化へ思い切った手を打ってほしい」と指南。真夏の夜の“お化け”記事にならないように援護射撃にも余念がない。ちなみに、日経の紙面からは両社が全面否定したコメントは見当たらなかった。

《福田俊之》

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