【新聞ウォッチ】日産が中国シフト、失われる“大和魂”?

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日産の中国合弁会社、東風汽車有限公司が新中期経営計画を発表
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年7月27日付

●日産、中国で30車種投入、EV含め5年で6000億円投資計画(読売・8面)

●円高長期化の恐れ、一時77円台、「介入は困難」の見方(読売・9面)

●ムーディーズ日産を格上げ(朝日・7面)

●スバル最後の軽、ラリー車の青色登場(朝日・7面)

●米クライスラー赤字転落(毎日・7面)

●中国高速鉄道強まる批判、建設計画に暗雲(産経・9面)

●インド0.5%利上げ、年8%引き締め姿勢強化(日経・1面)

●富士重・吉永新社長に聞く,円高、長期化なら対応できない(東京・7面)

●日産、中国生産を倍増、15年メド200万台、現地3拠点、一斉増強(日経・1面)

●子会社の生産、一部移管、トヨタ、主力ミニバン、本体に(日経・9面)

●インドの子会社3%増収に鈍化 スズキ4〜6月(日経・9面)

●IT各社、自動車が主戦場、情報提供事業を展開(日経・13面)

●キャンピングカー快走、太陽光発電装備が人気(日経・31面)

ひとくちコメント

日産自動車のカルロス・ゴーン社長が中国・北京で会見し、2015年の中国での生産・販売台数を、現在の2倍の230万台に伸ばすと表明した。そのための投資額は6100億円とスケールが大きい。中国での販売シェアを、現在の約6%から10%に引き上げる。

きょうの各紙が取り上げているが、ゴーン社長は「今回の計画は日産にとって中国市場が、今後も最大かつ最重要の市場であり続けることを意味する」と強調したという。新興国の拡大とともに中国シフトを加速させることを鮮明にしたものだが、ただ、足元の中国経済には減速感が表れており、自動車販売もひところの勢いを失っている。「リスク覚悟で攻勢」(朝日)という見方もある。

ゴーン社長が「ホーム」とする日本での生産は100万台を死守するというが、中国はその倍以上に拡大。しかも、電気自動車は現地合弁のブランド「ヴェヌーシア」で売り出すという。

これで日産が日系自動車メーカーかどうかもわからなくなってきた。東南アジアに駐在する日産の日本人の駐在員が、ライバルメーカーの同じ日本人駐在員に「私の話す日本語がおかしい表現があったら注意して下さい」という話を聞いたことがある。新興国や中国にシフトしても、大和魂だけは失ってほしくないものだ。

《福田俊之》

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